親子三人でダイビング

昨年の夏に長男がスキューバダイビングライセンスを取得しました。今までは長女と二人で潜っていたのですが、昨年から三人になりました。昔は一人でダイビングをしていました。その時いつも思っていたことは、一人で潜ってその海のあの碧さやあの静寂さに感動しても、その素晴らしさを家族に伝えることができず、また共有できないことでした。独身の頃からモルディブ、パラオ、プーケット、沖縄など多くの海で潜ってきましたが、海はどこでも同じではなくそこの海の碧さには違いがあります。絵の具で表現すれば黒く濃い青から明るい青までありもっと深く潜れば、緑色から果てしなく光が届かない黒まで千差万別なのです。その素晴らしい色さえ伝えることができないわけですから、生きている魚などの生物のリアルな表情を伝えるなんて到底できません。そのためにまずは長女にダイビングライセンスを取得させたのが小学4年。ダイビングって早ければ8歳から可能なのですが、さすがに体も小さく不安もありました。しかしやってしまえばスイミング延長のようなもので小さいほど適応能力も早いことは間違いありません。今回長男は12歳ではれてダイバーのライセンスを取得しましたが、車でいえばペーパードライバーです。これから経験を積んで独り立ちしていくのです。私は100本以上をあしかけ20年で潜ってきましたが、それでも海は自分にとってまだまだ神秘のベール覆われています。

神秘的な海って聞こえはいいのですが、とても恐ろしくもあります。ちょっと油断してしまうと人間の命なんて一瞬で飲み込んでしまいます。しかしそれ以上に海は自分たちを大きく包み込んでくれます。一旦、潜ってしまうと外界からシャットアウトされ、余計な雑音は聞こえてきません。ボコボコという自分の呼吸する音が静かに響くだけの静寂の世界です。目の前には海の中でしか生存できないたくさんの動植物が存在します。海の中では人間ってとてもちっぽけに見えてしまいます。毎日の仕事と生活に追われてあくせくしている自分。その中で自分が自分を客観的に見ることができるのです。

三人でダイビングできるようになり、とても楽しくなりました。しかし今年は長女の受験や長男のホームステイでまだ一緒にダイビングができませんでした。今回も長男と二人きりのダイブです。自分の感動を言葉で伝えなくても一緒に共有できること、それが一番です。人間って感動しても誰にも伝えることができなければ自分の中だけで留めておいて何も嬉しくはありません。誰かに自分の気持ちをストレートに伝えることができてこそ本当に満足できるのだと思います。「世界中の海の色をこの目に焼き付けたい」これも自分にとっては果てしなく実現が困難な夢だと思います。しかし生きているうちにあと何か所くらい世界中の海を旅することができるだろうかとシステム手帳を覗き込みながら頭の中で旅をしているのです。本当に行って潜れば夢の一つが達成されるわけですが、そこに行くまでの途中経過も「いとおかし」といったところで、その楽しみを家族で共有できることこそが、価値のある生き方ではないだろうかと思っています。

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親子三人でダイビング への2件のフィードバック

  1. Kより のコメント:

    しいちょんへ

    お子さんと一緒にダイビング、羨ましい限りです。
    ダイビングに限らず、家族共有の趣味があるということは素晴らしいね‼
    しいちょんご家族を見習わないと…。

    K.Kより

  2. 椎木 のコメント:

    K 君へ
    同じ趣味をもつことはとてもいいことだと思います。これからでも遅くはありませんし、新しくみつけるのではなくて過去の趣味、たとえば剣道なんかもいい趣味と思いますが。ただし50歳をこえてからは特に健康第一ですよ。椎木

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