リアルさではわからない空想と現実

先月、任天堂の創業者の山内溥さんが亡くなられました。そうです、1980年代にあの伝説的なファミコンをこの世に出された方です。私も最初のファミコンから遊びましたが、その後どんどんゲーム機が進化していきます。2001年の10月、ちょうど9.11のテロが勃発して、イラク戦争に当時のアメリカ大統領が踏み切るかどうかという瀬戸際で緊張していた時期でした。時を待たずしてアメリカ軍がイラクに爆撃を開始しました。その前の湾岸戦争の頃からハイテク兵器の使用で戦争自体がテレビゲーム感覚で空想と現実の間を行ったり来たりするようになっていました。今でもあの時の一瞬が空想なのか現実なのかわからなくなることがあります。このようなことは他にもたくさんありますよね。9.11の瞬間は久米宏さんがニュースステーションのキャスターをしていた時で、缶ビール片手によく見ていましたが、突然テレビの左上画面に煙の上がる世界貿易センターが映し出されてその後に2機目の旅客機がビルに突っ込む瞬間を見ました。久米宏キャスターも一瞬何が起こったのかがのみこめずに目の前の画面の説明に苦労していたのをよく覚えています。3.11もあの押し寄せて全てを飲み込んでいく津波をリアルに見ました。ただただ「うっそー」というぐらいがせいぜいで声を上げることもできずに本当に現実なのかと疑いながら眺めるしかないという虚無感とはこういうことを言うのでしょう。

我々はテレビゲーム初期の世代ですがその後進化していくゲーム機と複雑化していく世界情勢をこの30年間に目の当たりに見てきました。その創造された空想の世界とリアルな現実を絶えず見てきましたが、最近ではどちらが本当の世界なのかがわからなくなることがあります。「あれ、これって現実だろうか?それとも夢の中?」というふうに。創造されたドラマでもリアルなものがあります。一方、実話ですらドラマ化されるといろいろと脚色されてぼやけてくることもあります。我々はニュースで現在進行形の世界情勢をテレビの画面上の二次元の世界でしか見ることができませんが、それが空想と現実の中で本当にどっちが正しいのかを区別がつかなくなることも多いのです。特にイラク戦争で戦闘機の中が映し出されて、あたかもテレビゲームのような画面が登場して右レバーで攻撃設定の十字マークを攻撃目標に標準を合わせて親指で右ボタンを押すと画面上にミサイルが出現して数秒後に攻撃目標が爆破される。全くのテレビゲームです。しかし現実にはそこに何百人という死者がでる。テレビゲームでも敵をどんどん倒していくことが次のレベルに到達するための目標であり全然悲壮感がない。だから空想と現実のリアルさが混乱してしまうのです。そして世の中ではゲーム感覚で簡単に殺人を犯したり、クリックしたりダイヤルするだけでお金をだまし取ってしまうことも多くなるのです。このようなリアルと空想の世界はこれからもっと垣根が低くなっていくと思います。我々はそのリアルと空想を混同せず勘違いをしないようにしっかりと受け止めて考えていく力が必要なのではないかと思うのです。

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リアルさではわからない空想と現実 への2件のフィードバック

  1. Kより のコメント:

    しいちょんへ

    しいちょんの言う通り、今起きていることや想定外の出来事を
    現実として受け止め、これからも考え行動していかないとね。
    いつもとは言わないけど、最悪の事態を考え日頃から準備して
    おくことも、今の時代は大切かも。

    時には良い意味で空想にふけることもありだね^ ^

    K.Kより

  2. 椎木 のコメント:

    K 君へ
    いつもコメントありがとうございます。最近は昔と比べて「なんでそんなに簡単に殺人をしちゃうのっ?」ていう時代のような気がします。また嫌なことばかり目につくようになって、もっとよいことや素晴らしいことに目を向けたいですし、空想も現実逃避ではなく、いいように利用すればいいのだと思います。椎木

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