今年の台風から思う自然災害の猛威

今年はいつになく台風が多い年です。特に台風26号は伊豆大島に甚大な被害を残して立ち去りました。また27号も28号も次々と現れては去っていきます。災害にあわれた地域の早い復興を願わずにはいられません。そしていつも思うのですが、災害が起きる前に入念な備えをすべきですが、現実には想定外のケースが多くいつの時代も対策が後手後手にまわっているように思えてなりません。また過去の災害への対応の教訓を今回の災害に生かしきれてないのも事実です。

私が小学生の頃の台風はいつも8月の下旬頃この山口県に襲来していたように記憶しています。その当時の社会や理科の教科書には台風は10月頃によくやって来ると記述がありましたが、印象ではいつも夏休みに多く秋にはあまり来ないというのが実感でした。それ以前の伊勢湾台風や枕崎台風や室戸台風などの歴史的に災害が大きかった台風はどれも秋口に多かったからその後10年から20年経過して史実として載った教科書にはそのような記述になっていたのだと思います。ところで山口県は自然災害が昔から少ない地域で地震も台風も大雪もあまりありません。ここ数年の記録的豪雨による災害は記憶に新しいところですが、その他はあまり大きな気候の変化もない温暖な瀬戸内海式気候です。ここで生まれて育った自分にとり東京に住んでいた時の地震の多さにはびっくりしました。勿論、北に住んでいれば雪は多いし、南に住めば雨や台風が多くなるし、日本海側だったら冬に曇りが多いなどなど地域により特徴があります。瀬戸内海式気候は小学校で習った通りにヨーロッパの地中海性気候と似ていて本当に温暖だという事実は地元を離れて初めてしみじみと感じました。そういう意味で山口県はとても恵まれた地域だと自負しています。

約10年以上前に一度大きな台風がこの地域を襲って確か最大瞬間風速が60mを記録したことがありました。そして停電になってうちの地区は3日間電気が来なくて仕事にならないこともありました。長い所では5日間停電した地区もありました。昔ならろうそくと懐中電灯でどうにかなったのかもしれませんが、今はパソコンなど電子機器が大半で電気がなければ動きません。当院では電子カルテを使用していますので、無停電装置で2時間程度はもちますが、それ以上停電が続けばアウトです。自家発電はあるにこしたことはありませんが、費用対効果としては現実として買えません。ですから停電イコール診療ストップというのが現実です。もちろん情報はノートパソコンのバックアップなどで対応できますが、プリンターは動かないしレントゲンや心電図ましてや血液検査など全て電気のおかげで動いているのです。停電して初めて電気のありがたさがわかった瞬間でした。

人類の英知で便利になった反面、現代はちょっとした災害でライフラインが止まれば全く社会が動けなくなるという時代になっています。災害は必ず忘れたころにやってきて、いざというときの準備や練習が大切ですが、なかなかうまく機能することは難しく痛恨の極みという教訓を残して立ち去っていきます。歴史はその繰り返しなのでしょう。

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