ジェネリック医薬品を考える

最近、ジェネリック医薬品のテレビコマーシャルが勢いを増しています。そして患者さんから「ジェネリック医薬品は従来のいわゆるブランド医薬品とどう違うのですか?」とよく質問されます。また最近、インターネットでの医薬品の規制緩和について厚生労働省いわゆる政府側と民間の楽天の社長が意見の違いで法廷闘争するだのしないだのと騒いでいます。双方内容が違いますのでまずはジェネリック医薬品の方からさらさら流に説明していきます。医薬品のネット解禁については、紙面の関係で次回にさせていただきます。

それでは質問です。「あなたはブランド品を持っていますか?」例えば車でいえばベンツやBMWなどの外車でもいいし、バッグならヴィトンでもグッチでもかまいません。「そんな高価な贅沢品なんて持っていません」という声も聞こえてきそうです。では質問を変えましょう。「あなたはテレビを買うなら日本製を買いますか?値段の安い外国製を買いますか?テレビの映り方に違いはありません」と患者さんに聞き直します。ある患者さんは「映れば安い方がいいので外国製でもかまいません」と言われますが、「日本製がいい」という患者さんもいるわけです。「ジェネリック医薬品の製造元は日本製ですので安心してください」とも付け加えます。少し極端な話ですが、これが「さらさら流」の説明です。

つまりブランド医薬品とはある程度世の中に知れ渡った企業の薬で、ジェネリック医薬品はそこまでは周知されてないけども日本のしっかりとした会社の薬です。なぜなら人体に影響するもので国が管理しているのですから、政府保証付きなわけです。しかし世の中の人はヴィトンを持って歩きたがるわけです。スーパーのレジ袋でも機能としては全く変わらないのですが。ではなぜジェネリック医薬品は安いのか?ブランド医薬品はその開発費が加味されていて、ジェネリック医薬品はブランド医薬品の特許切れで開発せずに同じ医薬品を作れるのです。大体10年は特許期間がありジェネリック医薬品は作れません。国は超高齢化社会を迎えて毎年増えていく医療費を抑制しようとしてジェネリック医薬品を推進しています。これも仕方ないことで先立つもものがなければ医療もできませんから。

ただここで忘れてほしくないこと。それは世の中に薬以外にもブランド品は溢れていますが、月1回の薬代の差額は通常1000円程度です。勿論3割負担ですので、自腹で10割払うよというのであれば、普通のブランド品と考え方は一緒になるわけです。そしてちりも積もれば数千億円になるわけです。しかし個人の贅沢品を見渡すと数万円から数百万円もするわけです。しかしそれらは人体にあまり影響しないわけです。お金の桁だけでも大きく違い、数千円の差で人体に影響する大切なものを世の中で騒いでいる。一方でタバコは人体に悪いと知りつつ税金を払いながら医療費を上昇させている。いろいろなことをトータルで見つめ直してみれば何か見えてくるものがありませんか?最終的には個々の価値判断に委ねるべきことですので、私がどうこう答えを導く気はさらさらありません。ただ今一度個々で考えてみてほしいのです、日本の将来のためにはどうすればいいのかを。

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