サンダーバード車窓の旅

テレビで車窓の旅という長寿番組がありますが、旅に出ると新幹線や飛行機で急がなくてもよければ各駅停車か船旅でのんびりというのも悪くないと思っています。しかしなかなかそれだけ時間を贅沢に使わせてくれない現代社会です。先日、金沢に学会で行ったときに久しぶりに京都-金沢間を特急サンダーバードに乗りました。各停の旅とはいきませんが、それでものんびりとながれる車窓を見ながらこのブログを書いています。

のぞみで京都駅に15時34分に着き15時40分の在来線特急に乗り換えます。新幹線ホームから足早に駆け下りて在来線乗り換え口を駆け抜けます。在来線ホームは一番端にありまるで土曜サスペンスを観ているかのごとくのスリルを味わいながらホームに入ってきたサンダーバードに滑り込みます。そして息をつく間もなく発車です。気分が落ち着く間もなく右手には琵琶湖が見えてきました。グーグルマップではよくみる琵琶湖ですが、実際に特急に乗りながら眺めるととても大きいことに気づかされます。30分くらいは右手にずっと湖が見えました。京都は都会ですが、一歩郊外に出れば車窓は山口県の風景とそう変わりはしません。このブログを現在進行形で書きながら気に入った風景をデジカメで撮影しながらの車窓の旅です。ビール片手にと言いたいところですが、飲んでしまうとほろ酔い気分で寝てしまいそうで今回はカフェオレで我慢しながらの実況中継です。延々と続く琵琶湖を観ながらふと中学の修学旅行で生まれて初めて比叡山に登るバスの車窓から琵琶湖を観た時の記憶が鮮明に蘇ります。当時の15歳の少年は湖が見えた瞬間に指をさして「琵琶湖だ!」と叫びました。ゆっくりと流れる時が時代を通り越していきます。発車後1時間でやっと琵琶湖とお別れをして雪をまとった山々が見え始めてうっすら春霞でぼやけています。その後ウトウトしかけましたが、敦賀駅で停車してその後少しすると北陸トンネルに入りました。トンネルは結構長く関門トンネルを通り抜けるような感覚です。名前からして山陰に向かっているという実感が湧いてきます。トンネルを抜けると線路脇の山肌にあたり一面に雪が残っています。春本番の山陽からくると別世界です。

陽から陰に向かう列車は武生駅、そしてメガネで有名な鯖江に停車し続いて福井駅まで来ました。あと50分で金沢駅に到着ですが、そろそろ左手に日本海が見えてくる頃です。自分のスマホのGPS機能で現在地を確認するともう日本海は目の前です。停車駅は芦原温泉駅、加賀温泉駅とだんだん金沢に近づいていきます。お彼岸で日もかなり長くなり西の空にまだ太陽が春霞の中うっすらと朱色に照らしています。加賀温泉には15年前に泊まったこともあり懐かしさを感じます。小松駅を出たところで瞬間的に眼前に日本海が飛び込んできたかもしれませんがはっきり見えません。2時間も座席に座り続けると腰が痛くなってくるので、普段は2時間以上もじっと列車に乗ることなどあまりない自分にとって退屈な列車の旅をいかに楽しもうかと考えた苦肉の策ですが、飽きることなく車窓を楽しみながら17時55分に予定通り金沢駅に到着です。この後は同級生と地酒を飲みまくります。

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