先輩夫婦とその息子さんと飲む

私が医師になって2年目に島根県立中央病院で研修をしました。その当時の3年間に今回お会いした先輩と一緒に仕事をしたり遊んだりと一番忙しく大変な時期でありながら充実した時間を送りました。その先輩はその後に実家に戻られて継承開業されましたが、何年かに一度はどこかでお会いしていました。今回は7年ぶりに突然電話がかかってきて今度周南に来るので一緒に飲もうということになりました。そこまではどこにでもよくある話ですが、今回は少し違います。先輩夫婦が来られるのでこちらもかみさん付きです。それにプラス先輩夫婦の長男が山口県に戻られて現在研修医として働いておられてその5人で食事でもしようという話になったのです。先輩は3年上で島根には私の方が半年ほど早く赴任しました。そして先輩は島根に来られた時に結婚されて長男が生まれました。私が研修医3年目の時です。また先輩とは別に直属の1年上の先輩は私が赴任した年に長女が生まれました。ですから学年の近い3人と先輩夫婦と子供さんとで家族ぐるみのお付き合いをさせていただいたのでいろいろな思い出が一杯あります。直属の先輩のお子さんも3人おられて立派に成人されておられます。そんな関係の深い中での先輩夫婦と医師として立派になられた長男さんと食事をするわけですから懐かしい気持ちと重なって頭が混乱してしまいそうです。先日、自分の長男と東京で同級生夫婦と飲んだ時の同級生の気持ちにやや似ているかもしれません。なんとなく複雑な気持ちで当日を迎えます。

先輩夫婦とは何回もお会いしていますのですぐにわかりますが、長男さんは1歳か2歳の頃しか知りませんので初対面といっても過言ではありません。自分の長男の子育てもかなり苦労しましたので、先輩夫婦もかなり子育てには苦労したはずです。以前からときに電話で話すときもそのような事を聞いたことがありますが、その当時は自分たちがまだ子育ての苦労を実感する前でしたので他人事として聞いていたのだと今になって思います。しかしその苦労を同じように体験すると共感する場面が多々あって本日の飲み会は一層昔の話題で盛り上がりました。子供からすれば「うるさいな」くらいの感情でしょうが、親からすれば話せばきりがありません。また私と先輩の長男さんは世代は違えども同じ2世には変わりありません。「2世はつらいよ」の気持ちでは共感もあるはずです。医師になってから最初の5年はかなり忙しいのですが、それ以上に乾いた頭のスポンジに水がドンドン吸収されるような感覚の充実感があります。睡魔との戦いに変わりはありません。それでもこの歳になって自分の人生を振り返ってみると社会人になってから一番苦しくもあり楽しい時期であったことに間違いありません。そのような時代を一気に駆け抜けていく先輩の長男さんや我が子供たちを我々から見れば羨ましくもあり眩しすぎるのです。

そんなことを考えながら身内で盛り上がってしまいましたので、先輩の長男さんが今回の飲み会が楽しかったかどうかは疑問です。あと20年もすれば長男さんも今回の楽しさがわかる日が来るに違いありません。

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