新型コロナワクチン接種 ~その2~

前回からの続きですが、医療関係者の新型コロナワクチン接種はそれぞれの自治体にある基幹病院で開始されています。来週には我々一般医療関係者も接種が始まります。やっとこの2か月のゴタゴタを経て日本の新型コロナワクチン接種大作戦が動き出します。それでは1月下旬から2月下旬までの1か月間を振り返ってみましょう。今回の件で私は医師会の理事で新型コロナ対策チームの一員に組み込まれていましたので行政と医師会の調整係で大変でした。それでも後に「あの当時はよくやったものだ」と自画自賛できればそれで良いのですが、今回対策チームで一番大変だったのは多くの対象者をいかに密にならずにスムーズに集団接種させるかと言う事でした。第二に接種する側の医師と看護師を集めなければなりませんが、医師はどうにか医師会員にお願いして確保ができましたが、看護師が絶対的に不足しています。行政と医師会側双方で公募をかけたり自院の看護師に声をかけたりして補完をしますが、それでも人数不足です。国に登録された看護師の数だけをみれば十分いるようにみえますが、いざ実際に稼働している看護師はコロナとも現在進行形で戦っているわけですから「はい。そうですか」とワクチン接種ができるわけではありあません。では退職したOBやOGに召集をかければいいではないかという意見もありますが、現役復帰してすぐにワクチン接種が可能かと言えばそれもなかなか困難です。結果的に人集めは行政側の仕事ですので我々にはあまり負担がかかりませんが、実際に接種する場合に人員不足となると結局は出務者にそれぞれ大きく負担がのしかかってくるのは目に見えています。そのため医師会内でもアンケートをとったり理事会で決めるためにその事前対策を小委員会で何度も行政側と話し合ったりで結構タイトな1か月でした。個人的には「ワクチン接種も最後にはどうにかなるだろう」と高をくくっていましたのであまり負担には感じられませんでした。

そして協議を開始してから2か月後の現在に至ります。新型コロナワクチン接種を行政と医師会の双方で協力して遂行するという史上初の大作戦はワクチンの外国からの入荷がはっきりせずに医療関係者や65歳以上の高齢者の接種の開始がかなり遅れそうです。また集団接種だけでは全ての人に接種するにはかなりの時間がかかりますので、個人接種も併用して今後は進めていかなければなりません。しかし今回のファイザー社のワクチンはマイナス75度という超低温保存が必要ですので、基幹病院の冷凍庫から各診療所へのワクチン配送システムも検討する必要があります。そして予約してもドタキャンされたら税金で購入したワクチンが無駄になります。また1バイアルを開けると一度に5-6人に接種しなければなりませんので効率よく接種するためには市民の協力も不可欠です。いろいろなハードルを考えれば歩行可能な人はなるべく集団接種会場を予約してワクチン接種するのが一番効率良いと考えています。これから年末までに国民の接種希望者全てにワクチン接種ができれば今年の冬はマスク着用で忘年会の予約が可能になるかもしれません。

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