新型コロナワクチンの副反応

先日、医師会で新型コロナワクチン接種についての医療機関への説明会がありました。まずは医療スタッフへの接種、それから集団接種や個別接種の手順等が行政側より説明がありました。我々医師会側からも集団接種の模擬訓練に参加しましたのでその訓練から見えてきた課題についても検討していただきました。またワクチン接種には少ないながらも副反応が伴いますのでそれについての説明を理事である私が簡単に10分程度のレクチャー形式で行いました。皆さんも御存知の通りワクチン接種の際に接種部位の腫れや痛みは稀ではありません。蕁麻疹や発熱や吐き気などは接種部位の局所症状よりはかなり少なくなりますが起こることがあります。そこまでの副反応は医療者側も想定済みで、そのまま様子をみるか解熱鎮痛剤や抗アレルギー薬の投与で自然軽快します。接種される側にとって不安なことに変わりありませんが、医療者側からみればよくあることなのです。一方で我々が恐れているのは10万に1人程度のアナフィラキシー反応です。このアナフィラキシー症状は非常に稀ですが、ゼロではないため必ず適切な対処が必須になります。そのための対処方法を今回の説明会の前座で行いました。

アナフィラキシー反応とは簡単に言えばアレルギーの最重症の事を指します。蕁麻疹から始まり喘息が出たりして最悪の場合血圧が下がってショック症状となり亡くなることもあります。しかし適切な治療を即座に実施すれば必ず回復します。では実際にはどんな状況かと言いますと、新型コロナワクチン接種者の全身に蕁麻疹が出現して顔や瞼が腫れて喘息症状が出た場合がそのアナフィラキシー症状に当たります。その場合でも重症の程度があります。血圧が90mmHg以下に下がった場合は最重症で躊躇なくエピペンというアドレナリンを筋肉注射しなければなりません。エピペンを御存知ない方もいらっしゃいますので簡単に説明しますが、ハチ刺されや食物アレルギーの子供さんが急に喘息症状を起こして呼吸困難になり意識が遠のいた場合などにすかさず自分でまたは学校の先生が素人判断でも可能な救命救急の注射です。勿論、その注射をするにはある一定時間の簡単な講習を受けなければなりませんが、一刻を争う事態ですので素人が注射をすることも法律上許されるのです。そのような注射ですから、全ての医療関係者は即座に打たなければなりません。その医療行為確認のためのレクチャーをしました。最近テレビで集団接種の模擬訓練で副反応が起こってアナフィラキシーを起こしたため119番要請をしながらズボンの上から大腿部に注射をうつ光景を見られた方も多いと思います。幸いにも全世界でワクチン接種が進められていますが、アナフィラキシー症状が出ても適切な対処をしているためにアナフィラキシーで死亡したという情報は聞いていませんので皆さんも御心配なさらぬようにお願いします。一方で日本のワクチン接種がかなり遅れていますので本当なら第4波は避けられる予定でしたが、再度緊急事態宣言が一部の地域に出されました。少しでも早くワクチン接種が進むことを望んでいます。

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