新型コロナワクチン接種での現場の声

新型コロナワクチン接種も山口県はほぼ2回とも希望者にいき渡りました。日本全体を見ても2回接種済が7割に到達しています。このまま沈静化していけば良いのですが、デルタ株によりこの冬も予断を許しません。そして予防接種をした医師として各方面での声をいろいろと聞きましたので今回はそれを拾い上げてみたいと思います。

まず新型コロナワクチン接種を当院の患者さんは9割以上が2回接種済です。少数の患者さんは接種されていませんが、差別などは全くありません。打つか打たないかは個人の勝手なのでそれ以上でもそれ以下でもありません。接種すれば確実に感染する確率も減りますし、接種しなくても感染しなければ問題ありません。仮に感染したとしても接種してないことに関しては自己責任です。しかし接種したくてもできないような人には特に配慮が必要です。また現在は接種したくても接種の順番が回ってこない人はほぼ解消されていますが、接種希望者が全て終わればワクチン接種に関してはひと段落ですが、早速12月からは3回目のブースター接種が始まります。

では実際に接種する現場ではどうだったのでしょうか?国からの指示で自治体と医師会が主体となり接種場所や人員のやりくりなど現場担当としてはこの半年はかなりハードでした。時間的なハードさよりも調整や連絡などのやり取りによる精神面の方が大きかったです。行政と医療側の立場や更に地方と厚労省との考え方の相違により「全く国は地方末端の現場の考え方がわかってない」ということが多々ありました。まあ、そのような見解の相違はいつものことで慣れていますが、今回のワクチン接種に関しては全ての部署で一貫した考え方がありましたので割とスムーズにいきました。ただしお役所が考えだす突貫工事的な入力システムは不備が多く使えないことが多いのはいつものことでもう少し簡素なシステムの構築をお願いしたいものです。そして職域接種などいろいろな部署がワクチン接種に名乗りを上げましたが、結局接種する人は医療関係者しかいませんのでパイは限られています。早く一度に多く接種したいのはわかりますが、それこそ集団接種と個別接種と学生を含む職域接種などをいかに効率よく安全に遂行していくかについては、県が音頭をとってワクチン配分や人員や場所の確保などをすべきです。

最後に今回の接種で気になった点が二点あります。一つは接種会場の確保です。緊急性のある集団接種会場の確保は必須ですが、コンサートの事前の予約があり確保困難な事案がありました。天秤にかければ誰しもわかることですが、自治体には中止する強制力はないようです。二つ目は副反応の対処です。自治体と医師会が検討した接種会場の場合はしっかりと対処がなされていますが、都会などで業者に丸投げ委託された場合などは、スタッフの事前打ち合わせなどなく当日が初対面で且つ副反応対処の準備が不十分な事が多いと医師の掲示板に出ていました。そのあたりはお金の問題ではなく命に関わる問題ですのでこの二点に関してはしっかりと行政が強制力を行使して対処を望みます。

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