新型コロナワクチン小児接種に揺れる親心~その2~

今回は長女の子宮頸癌ワクチン接種と長男のB型肝炎ワクチンについてお話したいと思います。先週、5歳から11歳の小児への新型コロナワクチン接種に揺れる親心について現状を説明しましたが、玄人の医師でさえも自分の子供にワクチン接種をする場合にはとても悩んでしまいます。かれこれ10年前を回想してみます。

長女が中学生の当時、世界的には常識である子宮頸癌ワクチンが日本でも認可されて厚労省は国を挙げてワクチン接種キャンペーンを推進していました。通常なら小児科や婦人科で接種対象となる子宮頸癌ワクチンを世の中学生女子に一気に進めようとしていた国は内科にも接種機関としての登録を募りました。昔から自分の医学知識が専門外の場合はいくら簡単な医療行為であっても自ら進んで実行するタイプではありませんでしたので、当然当時の子宮頸癌ワクチン接種には手を挙げませんでした。しかし長女が中学生となり接種券が届いたためそれならば自分の所で接種するかという気持ちで接種を始めたのです。当時のワクチン接種は皮下接種が主流で肩の下の三角筋に接種する筋肉注射は日本では皆無でした。世界では筋肉注射は常識でしたのでいわゆる日本がガラパゴス化している象徴であったとも言えます。そこで筋肉注射からの勉強が始まり、若い子に筋肉注射すると痛みによる迷走神経反射が起こりやすく最悪の場合は失神してしまうという噂も世の中を駆け巡り最初の頃の注射はかなり緊張しました。幸いにも当院ではそんなに多くの中学生に接種することは無く副反応もありませんでした。今回の新型コロナワクチン接種によるアナフィラキシー対策と同じようなものです。しかし全国で見ると少数ながら副反応が出現して特に神経障害が世の中の前面にでてしまうと事実上の中止に追い込まれます。長女の場合は接種後に中止になったために結果的には良かったのですが、1年遅れていたら接種させなかったかもしれません。

また最近では長男が実習のためにB型肝炎ワクチン接種を義務付けられていて、昨年1回目を学校で接種しました。しかし2回目接種時に体調不良で接種できませんでした。そこで通常の皆が3回目の接種時に2回目を接種したいと学校に希望しましたが、接種間隔がずれたたために学校ではできないので個人で接種するように言われました。親としては納得いくものではありませんが、玄人としては理解できます。それから接種間隔がずれた場合という医学的資料をネットで集めまくって昨年秋と年末に2回の接種を私の責任でしました。他人から依頼されれば自分は専門外なので肝臓専門の医師に相談するように勧めます。このように玄人でさえも身内の接種ならまだしも他人様なら本当に良いのかと自問自答してしまいます。たかがワクチンされどワクチンです。将来に渡り健康被害が無いかと聞かれても過去の実績から非常に低いとしか答えられません。いつも言う事ですが、100万人に1人でも宝くじの1等賞と同じなのです。因みに長男のB型肝炎ワクチンで抗体ができたかどうかを通常は確認しませんが、今回は春休みに検査する予定です。

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