電子カルテ雑誌の取材を受けて ~医療のIT化について~

先日、当院に東京から電子カルテのインタビューが来ました。2003年以来、当院では電子カルテを使用しています。この地区でも一番早い導入でした。「なぜ電子カルテなの?」という疑問も一般の方にはあると思います。

その説明の前にまた少しお得意の昔話をさせていただきましょう。40年前にウルトラセブンというテレビ番組でモロボシ・ダン隊員がテレビ画面付腕時計をつけてかっこいいなあと思った方は幼少の私だけではないはずです。ただそんなものが実用化されるとは、あの白黒テレビの分厚いブラウン管を見ていたその当時の私たちには到底想像もできなかったと思います。30年前にはPCが出現しましたが、これほど流行ると確信していたのは、ビルゲイツか、スティーブジョブズか、孫正義さんだけでしょうか?また当時、ケータイやネットがこんなに普及するとは誰が思ったことでしょう。つまり何が言いたいかと言えば、自分たちにとっての必需品は必ず改良されどんどん進化していきます。また必ずしも必要のないものは進化のスピードが遅く、不要なものは廃れて消えていきます。

そこで電子カルテに話を戻してみます。海外ではあまり普及してないようですが、日本では厚生労働省などの機関が外国に先駆けて2001年頃より普及をめざし始めました。業務の効率化、カルテ開示の重要性(簡単にいえば素人でもカルテがわかるように書いて、それを患者さん本人に見せることができるようにしなさいということ)、医療関係者の情報共有などいろいろなメリットが求められました。その当時、自分としてもこれからはPCによるデータ管理は不可欠だと考えていましたのですぐに導入を決意したのです。それから9年が経過しましたが、国が目指した普及率30%にはまだまだ届きませんが、着実に増えてきていることは確かです。もう少し増えれば爆発的に普及する目安となる閾値の30%に到達するのではと思っています。

現在、私は電子カルテのメリットをおおいに享受しています。仕事の効率化は勿論、患者さんへのサービスにもおおいに貢献しています。例えば、待ち時間の短縮や患者さん情報をスタッフ全員で共有化でき、その共有化がまた患者さん自身へフィードバックされてサービスの更なる向上につながっています。なかなか目に見えない部分も多いのですが、患者さん満足度は確実に上がっていると思います。

以上のようなことをインタビューで答え、これからも医療従事者として患者さんのニーズに答えるべくがんばっていきたいです。最新の医療機器も大切ですが、先立つものは道具とまでは言いませんが、情報管理の重要性にも少しは目を向けていかなければいけないと改めて感じました。PCという箱を操るのは人間です。それも自分を含めて機械音痴の医療従事者が多いと思います。しかしその箱を宝箱のように扱うのか、ゴミ箱のように使うのかも、そのPCを使う人それぞれによって決まってくるのだと思います。そのことを肝に銘じながらPCを使った医療のIT化を目指していきたいと思っています。

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