Dr.椎木の「食動楽カルテ」完成間近!

 以前から当院では生活習慣病の患者さんにはすぐに薬を処方するのではなく、まずご本人に食事指導をしっかりさせていただいて経過をみながら、それでも改善がなく本人が「もうダメ」と言われてから薬を処方するようにしています。勿論すぐに治療開始しなくても大きなトラブルが起こらないであろうと推測される患者さんに限ってです。例えば上の血圧が160mmHg超えるような場合は、「様子をみてみましょう」なんて言いません。「すぐに血圧を下げなきゃ、やばいですよ。倒れてからでは遅いですよ」という殺し文句で薬を開始します。もっとも、薬を飲むのは患者さん自身であり、「どうしても飲みたくない」という方もいらっしゃいます。その場合でも薬を飲んでいただけるように説得は続けますが、なかなかコミュニケーションがうまくとれないこともあります。ましてや高脂血症などの脂質異常ではほとんど症状などなく、「健診でたまたまひっかかったから受診した」という患者さんも多く、「この状況が続くと倒れるかもしれませんので、薬をのみましょう」という殺し文句も全くと言っていいほど通用しません。ただし、悪玉コレステロールが高いままで放置しておくと、心筋梗塞や脳梗塞をおこしかねませんので、本当は症状がなくても治療が必要なことも多いのです。しかしその場合でもまずは食事指導などの生活習慣を是正しながら自分自身で自分の体と対話をしていただきながら、それでも改善しなければ薬を開始するというケースがほとんどです。

前置きが長くなりましたが、このような場合に薬を処方する前に患者さんに対して啓蒙できるようなパンフレットをお渡しして理解を深めていただきたいと以前から常々思っていました。大手製薬メーカーなどが作成したパンフレットが多く見かけられますが、かねてから当院オリジナルのパンフレットを作りたいと思っていました。昨年、おかげさまでホームページを立ち上げることができましたので、これを機会に誰にでも理解しやすいようなパンフレット制作にこの半年間時間をさいてきました。

病気の内容はホームページと同様にキャラクターの漫画仕立ての会話調でアップテンポに簡単にわかりやすく30ページ程度にまとめました。またホームページには載せてない新しい項目として、食事や運動など当院に来られた生活習慣病の患者さんで本当は薬が必要かもしれないけれど、まずは食事・運動という自分の力で改善できる部分にも光をあててみました。いろいろなメニューの食事についてもふれています。まだまだ不十分なところも多々あると思いますが、当院通院中の患者さんをはじめ、これからいらっしゃるであろう患者さんにもお配りしたいと思っています。「食動楽カルテ」とネーミングしました。

このパンフレット一つ作るにしても自分のアイデアだけではうまくいきません。それを実現するにはその道のプロの方のお手伝いも必要です。今回もホームページを作成していただいたスタッフをはじめいろいろな方にお世話になりながら完成に至りましたので、この場をかりて御礼申し上げたく思います。

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