ツバメの里帰りと新たな旅立ち

6月初旬から当院の軒先にツバメが卵を抱えていました。その母屋は自転車などを置く雨風がしのげる場所で壁ではなく防犯用ライトの上にあります。

2年前のちょうど今頃の梅雨に入る時期でしたが、ツバメのつがいが当院の前を飛び回っていました。「もしかすると巣を作るのかなあ?」と思って見ていましたら巣作りを始めました。そしてものの1週間程度で完成。その後卵を産み温め始めました。そのような光景は昔ならごく当たり前の風情だったのですが、最近はあまり見かけなくなってきたように思えます。最近はスズメも田畑の減少で餌場が少なくなり数が減少したとテレビで放映されていました。そのようなこともあってか当時は毎日興味津々で観察を続けていました。そして雛が孵り、確か5羽くらいいたような記憶がありますが、親鳥が昼間は交代で餌を獲っては雛に口移しでやっています。そしてめでたく巣立ちをしてお別れとなりました。

昨年も梅雨時分に何度かツバメが同じ巣に近寄ってきましたが、結局いつくことはありませんでした。ツバメは同じ巣に帰ってくることが当然と思っていましたのである意味ショックです。インターネットでツバメの生態を調べてみるとほぼ半分のツバメは翌年も同じ巣に戻るか、壊れていたら近くに巣を作ると書いてありましたので「もう戻ってこないのだろうな」という残念な気持ちでいっぱいでした。

そして今年もやはりツバメが当院の主不在の巣を周回していました。どうせ今年も空振りだろうと思っていましたが、なんと卵を産んでまた温め始めたのです。きっと2年前のツバメが自分の居場所をみつけることができたのでしょう。おめでたいことに3週間ばかり後の6月下旬に卵が孵り次の世代が誕生しました。今はその雛たちがピーピーと騒がしく巣の下は糞だらけです。ツバメはツバメで必死に子育てをしています。その鳴き声も妙に愛おしく感じます。それが当たり前なのですが、普段はそれが当然でありそのようなことを感慨深く思うことなど微塵もありません。しかしそのようなことを考えると、「自分たちも子供を育てて大きくしていく。その前には自分たちも親に育てられて社会で成長させていただいているのだなあ」と当然のことがとても貴重で大切なことだと思えてきます。今7月初旬、当院のスタッフの協力も得て糞の掃除をしています。雛が成長してもう1週間もすれば巣立っていきます。当たり前のことですが、「人間も動物も皆一緒なんだなあ」ということを再認識しました。今回も巣立ち間近の雛の写真を撮るために近寄って、とはいっても望遠レンズ使用していますのでツバメが恐れるほどの距離ではありません。その世代を超えた雛の写真を掲載しておきます。巣立ち後には「ツバメ君、また来年もここに戻っておいでよ」と心の中でつぶやきながらツバメ君たちの目をじっとみつめました。
7月9日現在、成長したツバメ君たちは大空に舞いながら、めでたく巣を飛び立っていきました。この1ヶ月半の間ほっとする時間をツバメ君たちにもらうことができて、ジメジメした季節でしたが爽やかな気分で過ごすことができました。

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