自分にとってのロンドン

もうあの盛り上がったオリンピックが終わってから3週間が過ぎようとしています。「ロンドン」その言葉の響きは自分にとって格別な思いがあります。遥か彼方の地ですが、自分の人生では2回足を運んだことがあります。1回目は以前のブログでも書きましたが、大学卒業旅行で3日間の駆け足でロンドン市内を散策したときで1988年のことです。その時は生まれて初めての海外旅行で右も左もわからない状況でしたので一瞬の出来事で何をして何を見たのかという記憶もほとんど残っていません。2回目はその悔しい気持ちをリベンジさせたかったのかどうかは別として、1992年の夏休みに9日間で家内とイギリス周遊をしました。周遊といってもスコットランドのエディンバラに3泊してあと残りの4泊はロンドンでしたので都市滞在型の旅行です。その当時は勤務医をしていましたが、同じ循環器内科に医師が6人いましたので、夏休みは1週間ずつもらうことができました。よって土日をはさんで9連休が取れたのです。現在の自分の診療所ではそんな長期の夏休みなんて考えられません。昔は忙しかったけど楽しい時代だったなあと懐古してしまいます。

ロンドン、それは自分にとって初めて世界に目を向けた聖地なのです。卒業旅行で人類の最大の発明でありツールでもある言語の大切さを身にしみて感じていた自分にとって、その2回目の旅行は往復の飛行機のチケットと宿泊ホテルを決めただけで後は全て成り行き任せの旅だったのです。なぜスコットランドだったのか?ネス湖に行ってネッシーを見たかったから。そのイギリス北部は日本でいえば北海道にあたるのでしょうか。とても自然に恵まれ、エディンバラの古き街並みの景観は最高でした。またインバネスという町からネス湖をめざすのですが、その町の雰囲気は「魔女の宅急便」に出てきた街並みに似ていて感激ものでした。その地を片言英語で失敗を繰り返しながら旅をしていくのです。

オリンピックの最終日にマラソンがあり、ロンドン市内を選手たちが駆け抜けます。その街並みや建物は自分でも当時4日間かけて地下鉄と2階建ての赤バスを駆使して歩き回っていましたので、いろいろな場所が記憶に残っています。選手が走る道を自分も一緒に当時を思い出しながら走ったような感覚といったら理解してもらえるでしょうか。オリンピックではいろいろな感動を見せていただきました。どの選手をみても日頃から絶え間ない努力をしてきた集大成でロンドンの地に立っているわけですから、勝っても負けても見る人皆が感動します。自分も過去に行ったことがある聖地でしたので、なおさら今回のオリンピック中継は興味を持って見ることができました。

ロンドンオリンピックは3回目。いつになるかはわかりませんが、3回目のロンドンに行ってみたいと思っています。夢、目標は必ず持ち続けていないと成就しません。行きたいと思えば人間はどうしようかと考え始めるのです。スポーツでも仕事でも遊びでも全て一緒です。興味をもつだけではだめで「じゃあ、どうすればいいのか?」と考え始めたら半歩前進。そうするとまた1歩前へ進もうとして新しい展望が開けてくるのです。

今回の話題とは無関係ですが、今年も患者さんがサギソウを診療所にもってきてくださいましたので写真を掲載しておきます。今にも大空へ飛び立っていきそうです。まだまだ残暑も厳しく「夏よっ、逃げないでくれ!もう少しそのままでいたいから! Stop the season in the sun・・・」の気分ですが、爽やかな秋風も吹き始めて一歩一歩秋の気配が漂いつつあります。

サギソウ

サギソウ

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自分にとってのロンドン への2件のフィードバック

  1. 藤井佳代子 のコメント:

    先生のロンドンへの想いを読ませていただきました。旅行への想いよりも、これからの人生を何の澱みもなく思いっきり進んでいこうとする青年3人のキラキラした若さが見えたような気がしました。
    92年の夏に奥様といらっしゃたエジンバラには、私もちょうど同じ時期にいました。当時アムステルダムに住んでいましたが、ロンドンには全然行く気にはなれないのに、なぜかスコットランドには熱烈に惹かれてその夏、一人で行っていました。バックパックを背負って、あのネス湖から少し離れた高原をひたすら歩いたのを覚えています。あの自然が最高に気に入って鼻歌交じりで歩いていたら、急に尿意が・・・・。もちろん、公衆トイレはそんなところにはない。ご存知のようにスコットランドの自然は草原。木がない。身が隠せない。蒼白になっているところに、追い打ちをかけるように観光シーズンだったから何十台も過ぎていく貸切バスからは満員の観光客がだだっ広い草原を一人で歩いている私を他に見るものがないから見ているぅぅ・・・。####****!!!!!、と思っていた時に一般客を乗せる長距離バスが通り、天の助けとばかりに乗り込み、後方のトイレに直行。忘れたくても忘れられないスコットランドの思い出です。教訓―ー草原を歩くのはやめよう、と思いました。
    すみません、こんな話で。それでは、また来週検査結果を聞きにおうかがいします。
    あやうくさらしもの記 

  2. 椎木 のコメント:

    藤井佳代子さま
    早速のコメントありがとうございました。言われてみて初めて気づいたのですが、ロンドンよりスコットランドへの想いそしてそれ以上にその国への憧れが心の中に刻まれているのだと思いました。そしてその憧れの原点はやはり最初の珍道中から出発しているようです。これからも一つ一つの目標をクリアして3回目のイギリスを目指したいと思っています。椎木

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