エジプト展を見に行って

先日、福岡市立美術館までエジプト展を見に行ってきました。今回は東京と福岡の2都市のみの開催でした。最初はあまり乗り気ではなかったのですが、家族皆で行くなら自分だけ留守番しても話題についていけないので一緒に行くかというくらいの気持ちでした。また以前ブログでロンドンの話題を書いたことがありますが、今回のエジプト展はその大英博物館のお宝がはるばる海を渡って日本にお目見えしたのです。1991年にロンドンに滞在した時は大英博物館に行ってそのミイラや棺などを見たはずです。何を見たかはもう忘却の彼方ですが、もう一度福岡で再会したら必ず「あの時、見たやつだ!」と思い出すだろうという期待もありました。

徳山から博多まで新幹線のこだまで行くと家族5人でまともに往復切符を買えばそれだけで5万円は軽く超えます。こだま切符というトクトク切符で行くと3万5千円です。2万円のお得になる計算です。一人で動くのとではわけが違います。それだけでご飯代と入場料と雑費が全てまかなえます。勿論、高速を使ってガソリン代も含めれば3万円以内で行けて更に1万円ばかりお得なわけですが、さすがに往復全て運転して疲れるくらいならそこまでしてミイラと再会したいとは思わなかったかもしれません。またこうやって家族皆で行動できるのも永遠ではありません。あと数年もすれば一人出て、二人出てというふうになってしまうことを考えれば、今はめんどくさいと思いはしても重い腰をあげざるをえません。

地下鉄を降りて秋も深まる福岡大濠公園を横目に見ながら福岡市立美術館に到着。「3000年の時を経た古代の人々が自分に何を語りかけてくるのだろうか?」と過去にロンドンで会った時の自分と20年ぶりに再会した現在の自分がはたしてどれだけ変化したのだろうかと楽しみにしていました。再会した瞬間、それはロンドンでのあの時が蘇った瞬間でした。今回パピルスを見て強く感じたことは古代も現代も人々の死生観についてはいつの世も一緒だということでした。生あるものは必ず死を迎えますが、現世の自分が極楽浄土に旅立つときは、やはりいい日旅立ちをしたいというのはどの世でも同じようです。

当時のヨーロッパ紀行ではパリのルーブル美術館とオルセー美術館にも行きました。モナリザよりもミレーの落穂ひろいやカルピスまんが劇場でフランダースの犬のラストシーンでネロが亡くなってパトラッシュと共に天使と一緒に天に召されるときのルーベンスの絵画をどうしても見たくて行ったのを思い出します。またそれらの絵画と再会したいと思っていますが、いつになったら見に行けるやら。子供たちが一段落ついたらヨーロッパに行って若き日に周遊した場所をゆっくりともう一度訪ねて、自分の過去の記憶と再会したいと思っています。その時は同じ光景や同じ絵画を鑑賞しても見ている現在の自分が年齢を重ねて面の皮が厚くなった分、ものの見方も変わって同じ目の前のものでも違った色に見えてくるのでしょうか?まだまだ先の話ですが今から楽しみです。

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