消火器の体験実習

当院では年2回火災報知器点検を行っています。勿論、法律にのっとった点検ですので専門業者の方が来られて、火災報知機や煙感知器の点検などを行っています。消火器も使用しなくてもある程度期間が過ぎれば消火剤の劣化に伴い交換が必要になってきます。期限切れの消火剤で、いざ火事になっても初期消火がうまくいかなければもともこもありません。しかしそれ以上に問題があったのです。消火器の使用経験は無いにこしたことはないのですが、いざというときのための使用方法の熟知は是非必要です。今までに個人的には一度も体験実習をする機会がなかったのです。

天ぷらをあげるときに火が燃え移って火事になりそのときに消火器を使用して消し止めたり、病院などが屋外での体験実習で実際にスタッフが消火器を使用してあたり一面が真っ白い粉だらけになっている光景をテレビで映し出されることがよくありますよね。あの光景を見ると簡単そうに見えるのですが、いざ本当に目の前に炎が上がっていたら慌てて的確に消火器を使用できるかどうかは自信がありません。以前から何かの機会があればと思っていたのですが、今回期限切れで消火器の交換が必要になりましたので、期限切れの消火器を使用して昼休みにスタッフも参加しての実習となりました。あるスタッフが言っていましたが、以前病院で同様の実習があったが、その時は消火剤の粉が周囲の床に飛び散ってこびりついてあとの掃除が大変だったとのこと。それは大変、実習も大切ですが、あとの掃除がもっと大変だったら二の足を踏んでしまいます。そのことを専門業者の方に聞いてみたら、消火器の先端にビニールの回収袋をつけてやれば問題ないとのことで今回の体験実習とあいなったわけです。

5月下旬の昼下がりで当日は曇り空でしたが雨は降りませんでした。まずは専門業者の方から簡単に消火器の説明を受けてそれから実習が始まりました。消火器の使用方法はいたって内容は簡単です。安全ピンを引き抜いてホースを炎の手前にめがけてレバーを握って噴射するのみです。16秒間消火剤が出ますが長く感じられたのは言うまでもありません。生まれて初めて消火器の実技体験もあっという間に終了。個人的には「こんなもんなんだねー」といたってシンプルな感想ですが、それが大切なのでしょう。

前回ブログで触れたAEDにしても一般的な素人がいざという緊急事態に使用する場面ですので、「これどうやってするの?」なんて思ったらダメですよね。「やってみたら単純で簡単だった!」というのが最低条件でしょう。しかし本当にその場面に遭遇したら、火事でも心肺停止でもやっぱり内心めちゃくちゃに焦りまくるにちがいありません。今回の消火器使用の実体験も個人的には非常によかったと思います。ただ手が滑ってビニール袋がずれてしまって、あの消火剤の粉を周囲にまき散らしてしまったらと考えると後の始末が大変なのは納得がいきました。消火剤の噴射の勢いで回収袋が破れて周囲に少量の粉をまき散らしましたが、実習がつつがなくうまくいったことにほっとしています。

消化器

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