都知事・県知事に期待すること

2.9には東京都知事、2.23には山口県知事選がありました。そして大阪市長が大阪都構想の暗礁で再度市長選をしようとしています。総理大臣を選ぶことのできない国政選挙と違って、首長選挙は県知事、市長を自分の清き1票で選ぶことができます。ですから若い人にも選挙に行ってほしいです。今の疲弊した地方が自分の1票で変わりはしないかもしれませんが、行かなかったらもっと変わらないのだから。

今回の東京都知事はいつものことながら1千万都市だから立候補者も本命を除いてもかなりいらっしゃいました。立候補者はそれぞれりっぱな志をお持ちのはずです。今回の出直し選挙の元はと言えば裏で献金疑惑があり、地検が動いたからやむなく辞任という構図でした。人の上に立つものは清廉潔白でなくてはいけないし、それを緩めてはいけないと思います。しかしどこまでがセーフでどこからがアウトかといういつもギリギリのグレーゾーンがあって、なぜかしらベストなタイミングでリークされます。今回の辞任もあと数か月早かったら東京2020は水の泡と化していたかもしれません。闇のことを言えばきりがありませんが、世の中は不可解なことが多いようです。

一方、山口県知事選。これは大都会とは異なり、本当の高齢化県の首長選挙です。東京のように華やかではありません。地方の活性化をどのようなビジョンで描けるかが争点でした。「景気は上向いています」と地元選出の総理は言うけれども本当でしょうか?というのが田舎の実感です。その気持ちを真摯に代弁する首長が必要です。結果的に誰が選出されようとも山口県も米軍岩国基地の問題が普天間問題とリンクしていますし、上関原発建設の推進か中止かもずっと以前から議論が分かれています。この問題も決して即決できる課題ではありませんが、どちらに転ぼうとも一定の方向性を見出していかないと結局将来につけをまわしてしまいます。トップは最大限に皆の意見を集約しなければいけないのですが、決断もしなければいけない。その決断は必ずどちらか一方に痛みを伴う。それを先送りせずにギリギリの痛み分けで妥協の政治決着をするのがトップで、その実行力の有無が首長になるための必要条件であり、その後に清廉潔白などのいろいろな十分条件が伴うのではないかと個人的には思います。今回新しく選出された村岡県知事に期待します。

都知事はかの有名な郵政問題に特化した元首相と佐川献金で揺れて辞任した元首相のタッグで原発か反原発かを争点にされましたが、結局は元厚労大臣の圧勝でした。東京からクリーンなエネルギーで世界を変えるという発想自体は大賛成ですが、都民は原発NOだけのワンイシューに対してはNOを突きつけました。それはそれで民意ですので従わなければなりません。橋下大阪市長の辞任再選挙はここまでに決めると公約して決まらなかったのだから今回の辞任もやむを得ないという反面、周囲から大義がないと批判を浴びています。しかし彼のようにたぐいまれな人材がいないのも事実です。よくあることですが、首長が責任をとって辞任して次の人へ託すという新たな責任放棄はしてほしくありません。

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