長崎を訪れて~その2~

では先週の在宅医療の続きです。最初に難しい話をさっさと終わらせて長崎旅情に移りたいと思っています。国が在宅医療を今後どんどん推し進めるには結局のところ高齢者が増えるから従来の医療施設ではパンクしてしまうから「自宅に帰ろうキャンペーン」なのです。そしてそのためには開業医は在宅で患者さんを看取ったり、診療して医療が必要なら病院に送らなければいけないゲートキーパーとしての役割が大切になります。すると従来の知識と技術以外にチームワーク連携と軽いフットワークが必要になるわけです。従来の医療システムでもかなりの負担が個々の医療関係者にかかっていますので、更に負担が増えるわけです。その日本の近い未来の在宅医療を友人たちはモデルケースとしてがんばって体現しているわけです。簡単にできそうですが決して簡単にはできない。だからこそ友人にエールを送りたくて長崎での再会でもあったわけです。それでは堅い話はそこまでとして旅情に行きましょう。

初日は早速友人と一緒に地元のお寿司屋さんに連れて行ってもらいました。今回の訪問は台風11号が前日に中国地方を縦断しましたので少しでも西に向いていたら長崎行きもキャンセルの可能性もありましたが、運よく行くことができました。地元の瀬戸内海や出雲の日本海の海を見てきた者として長崎は東シナ海に面していて初めてです。海はつながっていてもまた違った海の顔が飛び出してくるのかとても楽しみにしていました。その夜は前回と同様に今までの医師になっての27年間をどのように生きてきたかをお互いに語り合う場にすぐに夜も更けていきました。翌朝は台風一過でもしかしたら今日は梅雨明け宣言?という晴天でした。まだ暑くなる前にひんやりとした空気が残っている早朝、いつものように一人で長崎という街角の散策から1日の始まりです。噂には聞いていたけれども本当に長崎という地は平地が少ないために階段状に街並みが天に昇っていくようです。平地の狭さでは周南地区も似たり寄ったりですが、流石に異国の地と言われて昔から有名な長崎です。風情が周南とは違います。また広島と並んで原爆投下された日本の象徴でもあるわけです。そんな思いを胸にしながら小高い丘に建っている宿泊した旅館から海を眺めながら坂道を下ってみました。結構な坂道で早朝とはいえすぐに汗びっしょりとなり、旅館に戻るときはさぞ大変だろうと思いながらの散策でした。その後は友人の診療所を見学していろいろとこれからの自分の医療に対する思いを再確認する場となりました。なかなか真似できないけれども何かしら変わるきっかけを自分は知らず知らずのうちに求めていたのかもしれません。

今、長崎から帰る途中の新幹線の中でこの旅情記を一気に書き上げたところです。梅雨明け宣言も発表されそうな7月の海の日を明日に控えた今回の1泊2日の短い長崎訪問でしたが、自分の中でもなんとなくよどんだ梅雨空から一気に真っ青な空に変わっていけそうな気がした2日間でした。写真は夏空にそびえる大浦天主堂です。

長崎 大浦天主堂

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