オムライス

卵料理には目玉焼き、ゆで卵、オムレツ、オムライス、卵かけご飯など世界標準から日本独自の食文化まで多彩です。卵の黄身には動物の赤ちゃんが生まれたときの栄養不足を補助するために必要な栄養分が盛りだくさんです。ですからその他人様の栄養分を飽食の時代の人間様が横取りするわけですからメタボ一直線は自明の理です。これがアフリカなどの飢餓に苦しむ国々では人も生きるための貴重な栄養源になるわけです。日本でも戦前戦後の食糧難の時代には非常に重要な栄養源でしたが、現在では卵を食べなくても栄養失調になることはありません。養鶏卵業者の方々が非常に安価で高栄養価のものを提供してくださっていることに関しては感謝しきりです。このように人間が生きていく上でてっとり早く栄養補給できる代物ですから、人類の食文化として多様な食べ方が発展してきたのだと思います。日本では衛生面が非常にきめ細かなため卵かけご飯やすき焼きで生卵をつけて食べる文化が発展してきたわけです。

前置きが長くなりましたが、今回のテーマはオムライスです。オムライスは生まれて物心がついた時から知っていましたが、ケチャップご飯に薄い卵焼きをのせるものであると当家の食文化では思っていましたが、20年前に東京の洋食屋さんの老舗で「たいめいけん」のオムライスを食べて考え方は一変したわけです。ケチャップご飯にのっかった卵がこんなにフワフワなのかと当時の自分が感心しました。その後機会あれば再度行きたいと思っていましたがなかなか訪問できませんでした。やっと学会出張で娘も関東にいますので世代を超えて語り継がねばいけないと思って連れて行きました。当時からのメニューは全く変わらず一気に20年前のレトロな気持ちに再突入してしまいました。以前に食べた定番の伊丹十蔵風のタンポポオムライスを今回もオーダーしましたが、過去にはなぜタンポポと命名されたかはよく理解できませんでした。20年の時を経てやっと「これがタンポポのように見えるのだ!」ととてもシンプルですが理解できて20年越しの宿題が解決した瞬間でした。味もとてもシンプルで飽きのこないこれからも定番として生き続けていくにちがいありません。値段は一食1950円で日本橋の土地代も含めて高いと思うか妥当と思うかは人それぞれの価値観で変わってくると思います。開店が11時からで私たちは10時40分頃行きましたが、すでに20人ばかり並んでいました。都会は本当に皆さん、並ぶことがお好きなようです。その後開店の時にはおよそ50人の行列になっていました。

20年ぶりの待ちに待ったタンポポオムライスとの再会です。定番の50円のボルシチとコールスローもオーダーしました。最初に出てきたときはケチャップご飯に乗ったオムレツという感じですが、それをナイフで一本の切れ込みを入れるとタンポポが花開いたように見えるのです。その花が開いた瞬間の過程を今回写真に撮りました。このようにシンプルだけど日本の洋食文化にも貢献してきた卵料理ですが、皆さんも機会があればご堪能してみてください。

「たいめいけん」のオムライス 「たいめいけん」のオムライス2 「たいめいけん」のオムライス3

カテゴリー: 日常のこと タグ: , , , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です