ハワイって素晴らしい~最終章

毎朝心地よい風と共に目を覚ますと窓の外は快晴でテラスからは太平洋とマウナケアを望むことができます。最終日は朝一人でホテルの庭の散歩です。異国の地を訪れると必ず一度は一人でその地を歩くようにしています。そうすることで旅の思い出をしっかりと自分の脳裏に焼き付ける最終作業に入るのです。歩いてみてたくさんの見過ごされてきた小さな事実に出会います。またその地での空気を胸一杯に吸いこみながらこれからの日本に帰ってどうしようか?と少しずつ現実に戻る準備を始めるのです。

最終日はドルフィンクエストといってイルカと戯れる時間を30分ほど入れましたが、イルカに触るのなんて生まれて初めてで尾ひれは固いラバーのような感じでとても人間になついていてハグしたりキスしたりと至れり尽くせりでした。その後はプールに入ってお決まりの水遊びです。これも成人した長女から中1の末っ子3人が一緒に仲良くプールで戯れています。それを見るにつけ家族とはいいものだと改めて思います。南国の強烈な日差しでかなり日焼けして体中のあちこちがひりひりしていますが、プールの水と心地よい海風が体の火照りを和らげてくれます。そして最後の日の夜はいとこと叔母と我々家族での晩餐。それはホテルのレストランで夕日が海に沈む瞬間を見ることのできるテラスです。この時ばかりは清水の舞台から飛び降りる覚悟で予約しました。家族や親戚と最後にとる晩餐です。やはり一番よいシチュエーションで五感に思い出を焼き付けたいではありませんか。食事開始が午後5時45分で、日没が6時45分頃でちょうどよいタイミングの時間帯を予約できました。ゆっくりと時は流れていきます。日本に帰ったらなどと雑念も生じますが、今はなるべく考えないようにしています。次にここに来ることは?とか再び年老いた叔母とこの遠い異国の地で会うことはできるのだろうか?と多くの不安も頭をよぎります。しかし異国の心地よい海風と素晴らしい夕日がそんな不安をかき消してくれます。勿論、夕食も美味しかったのですが、お腹を満たすよりも心を満たす目的でその雰囲気を味わいに行ったという方が本当だったのかもしれません。

翌朝、空港にいとこと叔母が見送りに来てくれました。たくさんのお土産を携えて。この5日間はあっという間に過ぎてしまいましたが、今回の旅行は家族と親戚という二つの命題を考える旅となりました。いくら血が繋がっているとはいえ、離れてしまえばほとんど他人。しかし再会すればすぐに元に戻れる関係。何かあったらすぐに助け合う関係。それが地球の裏側にいても。しかし普段は空気のような関係。その大切さを忘れている関係。でも考えていくうちにもっと大切なもの、それは毎日顔を突き合わせて文句を言う両親なのかもしれません。遠くにいるいとこや叔母と会って初めて、今までずっと一緒に生活していた子供たちと別れて暮らすようになって初めて、今まで見えていなかった本当に大切なものを見つけることができたのかもしれません。そんな事を考えながら飛行機はハワイの地を離陸しました。

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