全国高校生クイズ選手権を見て

先日、この時期恒例の全国高校生クイズ選手権が某テレビでありました。毎年、全国から名だたる高校の生徒さんが出場されます。勿論、有名校が多いのですが、地方からは公立校の生徒さんもたくさん出場されています。そのような激戦の中、勝ち残った高校生の戦いぶりをじっくりと拝見しました。勝って笑い、負けて泣くという風景は高校野球で甲子園に出場する18歳の高校生と変わりありません。あの頃は誰も皆あのような純粋な気持ちを持ち合わせていたのに、いつ頃から過去に置き忘れてきたのでしょう。

高校生が新しい知識を吸収する場合、喩えれば脳という柔らかいスポンジが知識という水を吸収していくような感覚でしょうか。あなた自身の当時の試験直前を回想してみてください。ここ一番本気で覚えなければならないと切羽詰まったとき、現在の自分と過去の自分を比較すれば、過去の自分のスポンジの方がはるかに簡単に水を吸い込んでいったはずです。年を重ねて現在の自分のスポンジが硬化してくると、多分血管の動脈硬化とたいして変わらないと思いますが、何度も覚えようと努力してもなかなか覚えることができません。意地でも何かと理屈をつけて覚えようとして、あたかもきれいな水に味付けしないとこの古びたスポンジには吸収することができません。よく言えば物事を注意深く考えるようになったとか理論的思考回路になったとも言えるでしょう。しかし悪く言えば石頭になり柔軟な発想や考え方ができなくなったとも言えるのではないでしょうか?

今回高校生クイズ選手権を見ながらあの頃の自分がとても懐かしくもあり、決してあの当時の真っ白な皺のない何でも吸収できるスポンジを取り戻せない時間とのギャップが悔しくもあります。先日の同窓会にしてもあの当時の記憶はすぐに蘇りますが、当時のCPUとメモリーは取り戻せそうにはありません。しかしその年を重ねた分だけスポンジに経験という何ものにも代え難い皺が刻み込まれたのも事実です。これからも白いスポンジを大切にしながら皺を1本1本増やしていきたいものです。

 

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