推薦入試の功罪

大学入試では我々の時代でも推薦入試はありました。しかし通知表の評点が一般的に5段階評価で3.5以上の受験者に資格が与えられますが、皆が皆受けることはなく寧ろ成績の良い人は推薦を受けずに一発の試験にチャレンジしていく人が大多数だったと思います。それから30年少子化が進み大学を選ばなければ誰でもどこかには潜り込める全入時代になると学生の確保ができずに大学が倒産という過去では考えられない時代に突入しつつあります。そして推薦でも現役ばかりでなく浪人でも可という大学も増えてきました。また我々の時代では医学部が現在ほど超難関ではありませんでした。また医学部に推薦なんてなかったのですが、現在では地方の医師不足を反映してか地方の国立大学でさえ人材確保のために地元高校から地域枠として推薦入学を取っている時代です。そして自己推薦や学校推薦やAO入試など我々の時代では想像もできないほど複雑化しています。逆に言えばしっかりと情報収集すれば一般入試よりも楽をして合格できる可能性も出てくるのです。ただし高校での3年間の通知表の評点が最低でも4.0以上必要で真面目に3年間コツコツと勉強する子供ならよいのですが、ちょっと手を抜いてという子供の方が圧倒的に多くなかなかその推薦資格を高校3年間で得るのも難しいのかもしれません。また同じ評点でも高校のレベルによっては格段の差がありますので、有名進学高校で評点4.0以上は多分東大に入るより難しいこともあります。一方で高校のランクが下がってくれば評点4.0はクリアできますが、その後の試験や面接で振り落とされます。結局のところうまい仕組みになっています。真面目でどうしてもその大学に行きたいという特殊なケースでは選択肢の一つとして推薦入試を有効活用すればよいのです。しかし一旦推薦で合格してしまうとその後に他の大学に行きたいと思っても行くことができません。法律上では拒否できるのかもしれませんが、推薦を書いた高校やその後に続く後輩の事を考えると倫理上拒否できませんので他の大学にも進学希望の可能性がある場合は推薦入試ができません。

長々と書きましたが、長男の場合ウサギの性格で亀ではないので私の持論である「成亀勝兎」と相反しますが、まかり間違っても推薦なんて遠い世界の話です。あわよくばと親が思ってもなかなかうまく事は運びませんでした。センター試験が始まる1月からの入試本番に先駆けて10月から12月に推薦入試は本番の時期を迎えます。推薦は選択肢の一つとして利用するのはとても賢い手段です。一方で昨年の県人会で母校の大学理事長から聞いたお話では一般入試で合格した学生と推薦で合格した学生ではかなり学力差があると言われていました。それは浪人をして厳しい現実を垣間見た人とそうでない人、もう一つは秋に合格が決まるとその後はどうしても勉強をしなくなり半年後に入学した4月にはかなり学力が低下しているという現実があるそうです。事実、私の大学の同級生の子供さんが昨年推薦合格したのですが、10月から半年はスマホやゲームで遊びまくっていたとのことでした。そのような話を聞くと推薦入試で合格というのも一長一短だと思います。

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