生活習慣病を改善するには?

生活習慣病を改善するには読んで字のごとく日常生活の習慣を改善することです。しかしそう簡単に生活改善はできません。昔からずっと続けてきた自分の生活スタイルを変えることになるのですから並大抵の努力では困難だと思います。仮に健診で「あなたが早期肺癌で治療すれば治ります」と言われたら明日からでも煙草は禁煙外来に行かなくてもやめることができるかもしれません。一方で「末期肺癌で余命幾ばくもありません」と言われたら禁煙する価値を見出せないでしょう。つまり生活習慣を改善するにはそれなりの目標や変える事によるメリットがはっきりとしていなければ難しいのです。そして仮に生活習慣を変える事ができたとしてもその変えた習慣をずっと継続しなければなりません。つらい受験でも数年先の合格というゴールが待っているから続けられるのであって一生合格という目標のために受験勉強を継続することは不可能です。まだ発症もしていない病気を未然に防ぐために今まで築いてきた生活習慣を変える事は至難の業です。それは持って生まれたその人の性格を変えよというのと同じくらい困難な事ではないでしょうか。人間なかなか持って生まれた性格を変えることはできません。生活も性格も言葉は似ていますが変える事もなかなか困難です。それではどうすればよいのでしょうか?

私にもこれといった妙案はありません。それでも過去に経験した実績でうまくいった事例はいくつかあります。第一に恐ろしい病気を早期発見できた場合にはそれが生活習慣を変える最も大きな動機付けに繋がります。そのためにはこまめに毎年人間ドックを受けて癌検診をすることです。年1回きっちりと癌検診をしていればそんなに手遅れの癌になることはありません。それで手遅れになるくらいなら何をしても無駄です。一方で脳梗塞や心筋梗塞などは人間ドックでも早期発見することは困難です。癌は一つの癌細胞が倍々に増えて一定の期間で増加していきますので画像診断で早期発見されやすいのですが、血管が閉塞する病気は血管が7割くらい狭くなるまでは自覚症状はありませんし、いくら注意しても残りの3割は一瞬のうちに完全に詰まってしまうことが多いのです。塞栓という心臓に血栓という塊ができてそれが頭や心臓など全身の臓器に流れて行って閉塞させてしまうからです。ですから生活習慣病はどちらかというと時系列的に進行する癌よりもある意味厄介な病気なのです。また癌は極端に言えば、切れば助かるし手遅れなら諦めるしかありませんが、脳梗塞や心筋梗塞は最近の救急医療の進歩で昔と比較して亡くならずに助かることが多いのです。助かっても寝たきりや麻痺など後遺症を残して本人や家族が残りの人生に予想外の時間やお金や苦労を費やしてしまいます。だから生活習慣を変える事、それはその人の性格を変える事と同じくらい大切な事だと個人的には思います。ではどうすればよいか?それは最愛の人、それは配偶者や子供、または親友かもしれません。その人に「これからもずっとお前が必要だから」と言われる人生の動機付けが必要なのです。

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