名古屋へ医療経営研修

医師になって30年経過して医学知識や技能は多少身につけましたが、経営学は生まれてから一度も学んだことがありません。一昔前までの医者ならば「医療に経営なんて不要」と一喝していました。しかし日本は高齢化が進み医療福祉財源が減らされる現在は、ある程度の経営学は必要と最近の開業する医師は考えています。疲弊の進んでいる勤務医師は役職のある幹部なら開業医と同じように経営に携わらなければなりません。経営についてあまり考えなくてよい医師は若手の勤務医くらいかもしれません。しかしその若手の医師でさえいずれ将来は考えなくてはなりません。経営学は単なる金儲け学ではなく、いかに効率よく医療資源を使って経営を安定させるかが重要で、今後は大学の授業でも医療経営学という講座が必要だと思います。20年前に実家に戻り最初の頃は若手の勤務医と同じく経営についての知識は皆無でしたが、年月が経ち自分が経営者になるとそういうわけにはいきません。そこで8年前から年3回東京に医療経営について勉強に行っています。この会には同じ開業医が集まりますので同じような悩みを議論できとても刺激的です。またその勉強会のオプションで年1回の旅行研修で他の医師の実際の医療経営手法を見学に行く企画があります。そして見学後に当地でその経営手法を皆で議論して温泉旅館に一泊して懇親をはかる会なのです。今回はその研修旅行で名古屋に1泊2日で行ってきました。

勤労感謝の日の朝一の新幹線で名古屋に到着して目的のクリニックは休日も診療していますのでそのお邪魔にならないように片隅で見学です。その後に会議室でそのクリニックの医師から説明を受けてどうすれば患者さん側と医療側でウィンウィンの関係ができるかを議論します。毎日の診察室の中だけの自分では独善的な考えに陥りがちになります。しかしこの会に参加すると同じ医師でも科や地元も異なり多種多様な考え方を聞くことができますので、翌日の診療からまた異なった目で見ることができるのです。

この研修会はマジな勉強会で夕方には疲れがどっときますが、その後は温泉につかり裸の付き合いで身の上話も出てきます。懇親会では地酒を飲みながら子育て論から趣味、そして将来や老後についてありとあらゆることが話題になります。同業者でも仲のよい友人以外に腹を割って話すことはどこの世界でもありません。以前から無二の親友よりも時が経てば隣人の方が勝ると言います。サラリーマン医師ならまた違うかもしれませんが、開業して独り身になると気は楽ですが、孤独との戦いになります。何か良い手段はないかと模索してついにこの会に出会ったのです。参加者は皆同じ思いがありますので、飲み会では「今自分が何を思っているか」を語り合いますが、皆それぞれ人生のステージが異なりますので、自分の通って来た道ならばその経験をアドバイスしますし、わからないことは恥ずかしげもなく聞けます。それは同じ志を持った経営者である医師で尚且つ利害関係が全く無いからできるのでしょう。見学会も刺激的ですが、飲み会は更に自分の人生の羅針盤の方向を決める上でとても大切です。翌朝のホテルから撮影した写真を掲載します。

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