自分の継続していることは?

最近、私が尊敬している教育者である斉藤先生の著書の最新刊を読みました。「人生2周目の方が1周目よりもおもしろい」というタイトルです。60歳近くになると仕事も一段落して借金も返して子供も手が離れて「いざ」と思った時に何も残らないのでは?と感じているのは私だけでしょうか?私は仕事一筋なんて口が裂けても言えません。そこで今回は自分が継続しているものは何だろうと数えてみました。スポーツジムには開業して20年通っています。しかし体型は年月が経つにつれてだぶついてきました。スキューバダイビングも医師になった時にライセンスをとって頻回には行けませんが30年で100本を超えてモルジブやプーケットやパラオなどでも潜りました。ずっと継続している個人的な趣味は数えるとその二つしかありません。

次に趣味ではありませんが、別に継続しているものがあります。それは昔習った学問、勿論医学ではありません。数学です。当時は医学という玄関を通り抜けるための手段として数学を学び苦しい思いをして偏差値という亡霊と闘いました。そのために本当はもっと面白いはずで真の意味での数学の学問的興味に惹かれることはありませんでした。寧ろ大学に入学したら数学の魔の手から解放されたことに安堵したものでした。それから25年の月日が経過します。10年前から子供の受験で親バカながら少しでもと中学受験数学をかじりますが、全くできません。そこから算数の勉強が再スタートします。書店で参考書を買い込み方程式を使ってはいけない網掛け算を勉強します。xとyを使って二次方程式で解けば一発なのにそれを使わずに小学生の子供に教えると言うのは至難の業でした。子供が無事中学に入学すると今度は授業についていけるかと心配になり中学数学の旺文社の参考書を買い込ました。それから10年、子供の成長に伴い自分の固い脳みそで当時面白くもないただの手段としての数学ⅠA、数学ⅡB、そして数学Ⅲまで手を広げていきました。当時は赤チャートを解きながら四当五落という都市伝説を信じて眠い目をこすりながらがんばった記憶が蘇ります。しかし今回は人生2周目に突入して30年ぶりに微分や積分や確率を勉強し直すと人生経験もあってか「数学ってこんなに面白い学問なのか」と思えます。

最近、数Ⅲで極限の確率の問題で病院の口コミについての問題を解きました。ある人が病院を受診して次の人にその評価を口コミで伝える場合、9割の人は正しく相手に伝えることができますが、残りの1割の人は正しく伝わらずに反対の口コミが拡散していくという伝言ゲームのようなものです。そしてその口コミがずっと続いていくとしたら最終的にどうなるのか。つまりlim n→∞にすると最後は0.5になるのです。つまり悪い噂も良い噂も時間がたてばあてにならないという結果になることが数学的に証明できたのです。それを知っただけで毎日の仕事は自分の信念を貫けばよいということを人生2周目にしてわかったことは数学のおかげです。まだ残り2年は数学を続けなければなりませんが、そろそろ子育て以外の継続できる生きがいを子供が卒業するまでに探さなければなりません。

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