新型コロナワクチン国別争奪戦

今夏から各国で新型コロナワクチンの人への投与いわゆる治験が始まっています。未知の副作用が出るかもしれない海の物とも山の物ともわからない代物に各国が製薬会社と何千億円という大枚をはたいて契約して優先購入権を取り付けています。現状が世界中で緊急事態ですのでワクチンの国別争奪戦はやむをえません。そして日本は欧米各国と比較して遅れをとっていましたが、米英の製薬会社と契約はできたようです。どの国も自国優先は譲れませんのでこのような状況に陥るのですが、お金のない若しくは政情不安の小国はその争奪戦の土俵にさえ上がれないのも事実です。そのような問題が山積していますので本当ならWHOが先頭をきってイニシアチブをとらなければいけないのですが、それも報道を見る限りうまく機能しているようには全くみえません。

それではワクチンは実際のところどうなのでしょうか?報道を聞く限りでは日本の製薬メーカーの開発は遅れています。この秋にどんどん治験を進めても実際に一般国民に行き渡るのはどんなに早くても来年早々でしょう。そしてオリンピックまでに全国民に接種することが当面の目標です。一方で実際に接種開始になっても誰から優先に接種するかがまた問題になります。まずは医療関係者の中でも都会を中心とした新型コロナ入院患者さんを受け入れている病院関係者や空港検疫など水際対策関係者をいの一番にしてほしいと思います。それから重症化しやすい既往症のある高齢者でしょう。その順番で最初の全国民に接種するのに半年はギリギリのタイムテーブルになるでしょう。それと同時に運悪く感染してしまう方もかなりの数いらっしゃいますが、今の日本のペースでは何十万人に達することはないでしょう。すると結局のところほとんどの国民が接種するか感染するかでいわゆる集団免疫を獲得するためにはワクチンによるところが大きくなります。しかし万一ワクチンの副作用が報告されれば全て白紙になってしまいます。

ネットやテレビで以前から「あなたの少しの寄付で飢餓から未来ある子供たちを救えます」と放送されています。新型コロナとは違いますが、結局は弱者の上に強者がいるわけで今回の新型コロナワクチンの開発はお金持ちの強者がしなければどうにもなりません。しかしそのお金持ちだけがその恩恵を受けるという現在の資本主義の考え方は間違いではありませんが、いつも複雑な思いになります。しかし強者が作り出した物を弱者から順番に渡して強者が最後というルールなら私でも開発しませんしお金も出しません。人間の理性と強欲をバランスよく取るのは至難の業です。今現在の新型コロナワクチン国別争奪戦にはそのような問題が大きく横たわっています。その不平等感の中から少しでも世界各国が平等に事を運ばなければ東京オリンピックはないでしょう。日本が自国でオリンピック開催にこぎつけるためには今回は最大多数の最大幸福の新型コロナワクチン接種を率先して世界中に平等に行き渡るようにしなければ、日本は新型コロナとオリンピック中止というダブルの負の遺産を負うことになります。

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