行政と医療の隔たり

以前、Go toとお盆の帰省について書きましたが、今回はそれに少し付随して行政と医療の隔たりを書きたいと思います。すでに何度も取り上げられていますが、7月末のGo toの開始の時に政府は「現在医療のひっ迫状態にない」という全く川の向こう側からの主張でした。しかし実際に船を漕いで川を渡っている行政の首長である船頭の都知事もある意味「現在ひっ迫はしていないが、今後かなりヤバイ状況に成り得るから4連休はステイホームをして」という呼びかけでした。一方で川のこちら側で実際に治療にあたっている医療代表の専門家会議の教授は「医療状況はヤバイ状況だ」と真っ向から否定されました。三者三様な意見です。皆それぞれ立場が異なるのでそれは致し方がなく最終的には政治が判断して結果責任をとるのが民主主義ですのでそれは皆が認めます。しかしその国であり都であり行政と医療の間にはかなりの温度差があるのも事実です。まずその理由として「行政がこうしますよ」と言えば反論しても従います。医療側からすればもう少し現場の意見が反映されなければ「絵に描いた餅」になるよという抵抗がある場合に今回のような意見が出ます。現在でも死者が2000人までいってないというのは医療関係者の献身的な努力の結果なのです。勿論、行政だって徹夜の連続で指針をまとめて国会や地方議員はそれを必死で立法化する。これも死にそうな思いでやっていることであり軽視しているわけではありません。また自粛を受け入れる中小企業も死活問題を横に置いて皆頑張っているので軽はずみな事も言えません。今回の医療者からの発言はそれを全て理解した上での意見です。思いつきで勝手に発言して責任もなくその場から立ち去るネットのにわかコメンテーターとは違うのです。

それを踏まえた上で医療体制はひっ迫状態であるというのですから、行政は真摯に耳を傾けなければなりません。地方でまだ東京ほどひっ迫してない状況でもひとつタガが外れると一気に新型コロナの波が押し寄せて医療崩壊への危機へまっしぐらです。そのために地方でも行政が頑張っていますが、なかなかこちらが思うこととは隔たりを感じることはしょっちゅうあります。しかしその不満をたらたら並べても発展性がありませんので、この危機的状況でお互いに歩み寄れることと歩み寄れないことをはっきりさせること自体は非常に良い機会ではないかと思います。平時ではそのような会話は成立せず未来の緊急事態のことを議論しても先送りになるだけです。このような時こそお互いの隔たりを解消する大きなチャンスかなと前向きに捉えるようにしています。

これから冬にかけて間違いなく医療はひっ迫状態へと向かいます。そうならないように1日でも早くPCR検査体制を充実させることは現在の喫緊の課題です。そしてその先には検査対象者となる市民の協力と意識改革が不可欠です。その啓蒙に地方行政や医師会や救急医療を担当する病院からの発信も必要です。市民も「私は素人だからわからない」と言うのではなく勉強して皆が賢くならなければなりません。

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