偏差値50はよくできた指標

入学試験が近づいてくると偏差値という言葉が飛び交いだします。別に試験だけのキーワードではないのですが、どうしても偏差値は大学入試の時に頻回に使用されますので、偏差値と聞くとあまり良い印象を持たれていない方も多いのではないでしょうか。それは偏差値イコール試験の成績という1対1対応になっている場合が多いからだと思います。しかし偏差値は試験の成績を表して大学の合格判定だけに使われるだけのものではありません。世の中のたくさんの出来事を順番に並べて偏差値を付ければとてもその事象に関して理解が深まる事が多く、その偏差値によって現在の自分の立ち位置もよくわかるようになります。

それでは偏差値とはどういうものかをまず簡単にお話しましょう。数学的説明ではなく一般的な具体例をみてみます。やはり試験の成績が一番分かりやすいので算数の試験と国語の試験で説明します。例えば1万人の受験生がいたとします。人が多く集まれば集まるほど点数もピンからキリまでいます。たとえば算数の試験は簡単でほとんどの人が90点以上をとりました。平均点が90点としましょう。すると偏差値が50とは90点あたりの順位の人で5千番のあたりです。一方で国語は難しかったので平均点が60点しかありませんでした。すると偏差値50の人は60点あたりで5千番です。つまりその時の試験の内容で平均点はいくらでも変わりますので、平均点の人が真ん中あたりにいるという事実はゆるぎないのですが、90点をとった人が真ん中あたりにいるというのは次の算数の試験が難しければ変わりますし、試験の平均点が60点ならそのあたりが偏差値50の人なのです。つまりその時々の試験内容によって平均点は変わる為に点数で真ん中は表せません。しかし偏差値50はいつも平均あたりを表しますので国語だろうが体育だろうが自分が全体の中でどのあたりにいるかが一目瞭然になるのです。今までは試験で偏差値を話しましたが、それを一般社会の中で表してみます。偏差値50は普通の人、偏差値70の人は全体の5%程度の人で偏差値30も全体の5%程度の人と全体の分布がほぼ決まっています。だからこの人の仕事能力は偏差値60だよねと言えばかなりできる人になりますし偏差値40ならばイマイチの人ということになります。偏差値30の人ならちょっと近づきたくない人だよねとなりますし、偏差値70の人はあまりにも自分とはかけ離れ過ぎて寧ろ付き合いたくない人になるかもしれません。

なぜ今回このような話題になったかというと、先日たまたま畑の違う高校時代の友人と話をしていて「あれってどう思う?」と聞いた時に「あれっていいよね」と会話が続きますが、その時の「いいよね」という評価が主観的評価の為、私にはその度合いがわかりませんでしたのでとっさに「偏差値で言ったらどれくらい?」と聞き直しました。当時大学受験を同じく経験した同志でしたので、すぐさま「偏差値で55くらい」と答えが返ってきました。その答えで相手の評価の度合いがお互いにわかりました。

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