トップガン~36年の時を経て~

遥か遠い昔の1986年、大学生の私はたしか新宿のピカデリーという映画館で学校帰りの夜にトップガンを一人で観ました。そしてトップガンを見終えた時の記憶は今でも鮮明に残っています。ストーリーは単純明快で、大空を駆け抜ける戦闘機のアクションシーンは鮮烈でした。それ以降ずっと続編が出ることを信じて30年の歳をとってしまったというオールドファンも多いのではないかと思います。トム・クルーズの作品はミッション・インポシブルなど数多くのヒット作が存在しますが、彼をトップスターへ押し上げた階段の原点はトップガンだと思います。現在のネットの仮想空間では世界中を簡単に行き来でき、テレビ媒体などは以前と比較すればかなり様変わりしました。しかしネット媒体で映像がいくら手軽に入手できるようになった現在でも映画館で鑑賞する映画自体が廃れることはありません。寧ろネット中心のデジタル中心の世の中だからこそたまにはノスタルジックなアナログの世界に戻りたくなります。あの大画面と大音量で視覚と聴覚に突き刺さるような刺激を堪能できるほんの数時間は、現実から心は離れて自由に大空を飛び回ることができます。昔、かの有名な映画コメンテーターが「映画って本当にいいもんですね」というフレーズをついつい思い出してしまいます。

トップガン公開から10年後の1996年にアメリカの学会で発表する機会があり、トップガンの聖地であるサンディエゴに滞在しました。ミラマー基地などのロケ地を見て回りたかったのですが時間が取れませんでしたので、映画の最後の有名な酒場のジュークボックスのシーンを撮影したカンザスシティレストランを見学して本物を見た瞬間は鳥肌が立ちました。そこにはトップガンの名シーンの写真なども貼ってあり楽しいひと時を過ごして自分のお土産にトップガンキャップを購入しました。その頃よりいつになれば続編が出るのかを楽しみにして更に25年が経過します。そしてついに2020年5月にトップガン・マーヴェリックが公開予定でしたが、新型コロナの影響で更に2年先送りになりました。そしてやっとの思いで36年の時を経て映画館にたどり着きました。そんな思い入れの中で、公開初日は所用で行けずに3日目の日曜の夜にムービックス周南に行きました。パンフレットも欲しかったのですが、早々に売り切れでした。日曜の夜ということもあって客席は3割程度で広々とした雰囲気で陶酔できました。

お馴染みのノスタルジックな映像からいきなりデンジャーゾーンが鳴り響き一気にボルテージが上がります。昔の映画を何度も繰り返して観ているオールドファンにとっては36年前に映画館で観た時の多くのシーンが重なり合います。また最新の映像技術を駆使しながらも体を張った戦闘機の操縦シーンは見応えがあります。私は映画のコアなファンではありませんが、トップガンだけは私にとって青春時代を共に駆け抜けた映画なのです。見終えた後も余韻が残って今と昔のまだら模様が続きます。新型コロナが終息したら再び聖地へ巡礼の旅に出るのも悪くはないなと思いながらもなかなか眠りにつけませんでした。

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