「世界に一つだけの花」と「世界で一番きれいな花」どっちが好きですか?

先日、この30年間に日本で最も聴かれて歌われた曲トップ10の発表がありました。つまり日本人に一番親しまれた曲ということになります。30年間という長期のロングランですからトップは美空ひばりさんや昔からの往年の曲かなあと思いました。結果は予想外でしたが、後から考えれば納得です。それが今回のタイトルであるSMAPの「世界に一つだけの花」でした。皆さんもニュースでご存じかもしれませんね。

ところでこの「世界に一つだけの花」はカラオケ以外にもいろいろな場面で登場してきます。例えば、昨年の事業仕分けで「ナンバー1でなくてナンバー2でもいいのではないか」と某国会議員が発言して物議を醸しだしたことは記憶に新しいことと思います。また良いか悪いかは別として、「ゆとり教育」という御旗の元、子供の個性を引き出すことができれば、運動会での徒競走や通知表に順位をつけなくてもいい?などとさまざまな問題まで波及しているように思えます。

まず「ナンバー1かオンリー1か」という命題は人間が生きていくいろんな場面で使い分けていかなければならないのではないでしょうか。一律に「こっちが正しく、あっちは間違い」などと発言するとブログ炎上にあうでしょう。人間が他の動物と異なるところは脳が発達して「感情をもつ動物」なのです。また人間を含めて生きている動物は全てにおいて「戦う本脳をもつ動物」でもあります。アフリカの草原にポツンと1人で立っていたら生きるか死ぬかの弱肉強食の世界が待っているわけです。何万年もの昔から2本足で立ち始めて脳が発達したからこそ、「オンリー1がいい」もしくは「オンリー1でいい」と意味は若干異なりますが、このような議論になるのではないかと思うのです。だから人生の難局に立たされて、ここぞと火事場の馬鹿力を発揮させなければならないときは、何が何でもナンバー1を目指さなければならないでしょう。周囲と協調しながら事を進めなければならないときには「俺が一番!」とナンバー1を追及すると協議は破たんするだけです。そこで今度はオンリー1の登場です。いつもトップを目指していると疲れちゃいます。そのような人生の場面では、「個性があればナンバー1でなくてもいい」という考え方も芽生えてきます。人はそれぞれ長所をもっているし、その長所を伸ばしてあげることも大切です。とかっこいいことを書いていますが、「一番身近な存在である自分の子供の長所をあなたは本当に伸ばすことができますか?」と質問されたら答えに窮してしまいます。

「ナンバー1かオンリー1か」というテーマに正答などなく、「どちらも正しい」が正解だと私は思っています。人生で直面する場面局面で間違わずに使いこなせればという条件付きですが。「今の自分はどっち?」と聞かれたら、間違いなく「ナンバー1ではなくオンリー1」と答えるでしょう。そこで勝手な造語ですが、自分にとってのベストな選択は「ナンリー1が一番」だと思っています。オンリーとナンバーの掛け合わせの造語です。素晴らしい歌詞と曲をSMAPが歌ったから一番になったのだと改めて納得しました。

Shingo Nobuhara

ⓒShingo Nobuhara

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「世界に一つだけの花」と「世界で一番きれいな花」どっちが好きですか? への2件のフィードバック

  1. 河本 弘子 のコメント:

    先日、患者さまから、「先生のブログが興味深い、こんな一面があったんだ、と楽しみにしているのよ。」とお話を伺い、それ以来時々読ませていただいています。 いつも先生の厳しい面しか見ることができない私でしたが、普段着の先生を垣間見ることができ、毎回とても楽しみにしています。

  2. 椎木 のコメント:

    コメントありがとうございました。これからも読んでいただいている皆なんに興味をもっていただけるような内容を書き続けたいと思っています。椎木

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