可愛い子には旅をさせよ

この諺は皆さんもよくご存知だと思いますが、今回は短期留学について考えてみたいと思います。私が医師になってから8年目の30歳すぎで大学病院に勤務していた時、今から思えば1年間くらいアメリカに留学する可能性はあったかもしれません。しかし諸事情もさることながらその当時は英語を話したり聞いたりすること自体が面倒くさくて嫌いだったので自分から日本の鎖国状態の中で生きていければそれでいいというのが本音でした。また遡ること35年、高校1年のときに当時夏休みを使って30日間の海外ホームステイを計画したことがありました。しかしその時も「学校の夏休みの夏期講習はどうするの?」などと言われて頓挫した経験があります。その後海外旅行は何度かしましたが、ほんの5日間、長くても1週間程度の観光です。本当の海外の魅力などわかりゃしません。

そのような背景のもと今回の「可愛い子には旅をさせよ」というテーマの登場です。息子の通学する学校はニュージーランドに姉妹校があり、そこに夏休みを使って短期留学ができます。計7週間の50日間です。これくらいの期間行けば少しは外国人や日本人の良し悪しがわかるかもしれません。また希望者には中学3年に1年間の留学もあります。さすがにそこまで行かせるかどうかは疑問ですが。今回は英検3級を持っていることが最低条件でなんとかクリアしていけることになった次第です。

もし自分が若くて何も束縛などなければ、今の自分なら海外留学に行くと思います。「かわいい自分も旅をさせよ」でしょうか。しかし行ったら行ったで言語や生活習慣の違いなどによる摩擦も必ず生じます。それを乗り越えなければなりません。「何事にも面倒くさいと思っている自分」と「何かにチャレンジしてみたいと思っている自分」その二つの自分が心の中で戦って葛藤しています。あるときは「弱気の自分」が「強気の自分」を凌駕します。その時はじっとだまって静かに耐えています。しかし「強気の自分」が優位になってくると今度は「イケイケ、ゴー」です。人生なんてその繰り返しです。ポジティブな波とネガティブな波が人生には交互に押し寄せてきます。人生の大海原でポツンと孤独のヨットに乗っていつ来るかわからない風をたよりにじっと我慢してひたすら毎日を必死で生きている自分。その毎日毎日をがんばっていくのがとても大切なのですが、退屈なときもあります。テレビゲームのロールプレイングで一面クリアすると更に難関な画面の登場でさらにのめりこんでいく自分のようでもあります。

出発は数日後。このブログが出る頃には南半球で生活しています。このような短期留学は本人にとってかけがえのない体験になることでしょう。親としては静かに見守ってやりたいと思っています。そして盆がすぎて50日後に帰国したときの彼の成長を密かに期待しています。とはいってもそれくらいの期間でそんなに物事が大きく変わるはずはありませんが、これからの将来、何かしら変わるきっかけというか些細なことをつかんでくるだけで今回の短期留学は大成功なのではないかと個人的には思っています。

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