予備校の入学式

今月初旬に娘が予備校に入校しました。過去の自分の経験からあえて入学とは書きませんでしたが、予備校でも入学は入学です。言われてみればその通りで、日本語の使い方としては間違ってはいません。でも桜の花の下での新しい門出とはやや趣が異なります。私は仕事で行けませんでしたが、予備校側からは「来年の合格に向けて家族ともども団体戦です。入学式当日に合格に必要なご両親の心得や過ごし方、そして今春晴れて合格した先輩からの体験談を聞いていただきたいので是非出席してください」という通知が来ましたので家内が福岡まで行ってきました。保護者の出席は3割程度だったようです。

現在は少子化で大学も勿論ですが、予備校も生き残りに必死です。そして数年後に控えたセンター試験廃止?そして現在のセンター試験のように点数のみで順番をつけるのではなく、高校在学時に複数回の到達度を評価する試験への移行を目指すと文科省は発表しています。これが前回のゆとり教育の政策失敗の二の舞にならなければよいのですがやはり心配です。国会でも議員の皆さんは最初には素晴らしいことを総論では語りますが、各論になると反対が出て、官僚や関係団体の抵抗にあって骨抜きになり廃案ということがよくあります。将来ある子供たちの教育ですので、そうならないように期待しています。

また英語教育の重要性が最近やたら語られていますが、そんなことは我々が高校の頃の30年前にも当然のように語られていました。そして30年という月日だけが経過して小学校にも英語授業を取り入れようと盛んにうたっています。日本語すらまともにしゃべれない子供たちに外国語を教えるのはいかがなものかという思いはあります。一方で小さい頃からバイリンガルを目指せば国民皆英語でぺらぺらも夢ではないという妄想もムクムクと持ち上がってきます。昔ミリオンセラーを記録した青春出版社発行の森一郎の「試験に出る英単語」を暗記して受験英語にどっぷりつかって結局大人になっても英語が話せないし聞けない世代の我々にとってはとても耳が痛いと同時に悩ませる問題でもあります。海外に留学するためにはTOEICなどができないとダメでグローバル化と言われながらもなかなか飛び出していけない今の時代です。少子化で大学を選ばなければ全入できる世代で、東大を卒業して先行きが不安定な社会に就職しても昔とちがって一生会社に尽くすという忠誠心もなくなった時代です。いろいろと社会構造が変わって大変な時代ですが、それでも子供たちには将来の日本のために頑張ってほしい気持ちでいっぱいです。

この春に娘が予備校というまだまだ人生の航海にしては程遠い状況ですが、それでも義務教育という枠から卒業し親と一緒の生活から離れて自分の夢に向かって歩み出したことに一人の親としてエールを送りたいと思います。来年の春には本当に桜の下で入学式を迎えることができれば言うことはありません。しかし最近は大学でも入学式に両親同伴、下手したら祖父母同伴の時代です。実は子供が親離れできないのではなく、子離れできない親が多くなったのも事実ですよね。

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