最近あった出来事でちょっと嬉しかったこと

最近あった出来事でちょっと嬉しかったことを今回はお話します。糖尿病を以前から指摘され薬を数種類のんでいた患者さんです。なんのご縁か因果か当院に来られました。ちょうど年齢は私と同じです。HbA1cという糖尿病の血液の数値が10近くありました。薬ものんだりのまなかったりの状況でした。そこでいつもの私の説明が始まります。「水と野菜だけ食べてればノンカロリーだから必ず糖尿病の数値はよくなりますよ」とまず説明しました。それから「リフレッシュ休暇を取って開発途上国にボランティアで3か月行けば世界の人々や社会に貢献ができなおかつ自分の体にもいいことずくめですよ」とたたみかけます。そして最後に私の決めゼリフです。「病気が悪くなるのも良くなるのもあなた自身のことで自己責任です。自分の人生は自分で決めてください」と突き放します。いつもこの三段ロケット攻(口)撃を連射しています。ちなみに彼は同級生だったそうですが、当時面識はありませんでした。もし最初から彼を知っていたらそこまで口撃したかどうかは定かでありませんが、多分2段ロケットまでは飛ばしていたと思います。

そこでこの同級生君、奮起したのか自分で糖質制限ダイエットという本を読んで私の話も参考にしながら食事療法+薬物療法を開始しました。その後徐々に数値もよくなって薬も2種類、1種類と減量できましたが、半年後にとうとう薬が不要となってしまいました。指導した私でさえも薬を全く処方せずに落ち着くとは思っていませんでしたのでホントにビックリです。やはりやる気さえあればメタボは克服できるのだということです。少量の薬を減量、中止にしたケースは私の過去の経験でも散見されますが、今回のケースのように劇的な症例は初めてです。そのご縁もあり、先日飲み会があって彼と同席したのですが、ビールをのまずにハイボールを結構注文して飲んでいました。「やればできるじゃない」という彼の信念に感服していますが、同時に自分の理想とする医療が実現できて嬉しいかぎりでした。冗談で彼に「君のような模範患者さんが増えてしまったらうちの商売あがったりだよ」と酔っぱらって言ったか言わないかは、同級生の飲み会のほろ酔い気分で血液中のアルコール濃度が上昇していたためか記憶が定かではありません。

それともう1件の嬉しかったこと。先日転勤で他県から前医の循環器内科のDrから私宛の紹介状を持参された患者さん。どうして当院の存在を他県のDrが知っていたのだろうと不思議に思って聞きましたら、ネットで当院のHPを見て同じ循環器内科医として気に入ったから紹介状を書いたとその患者さんからお聞きしました。嬉しいかぎりです。私も昔は24時間営業オンコールの循環器内科医をしていましたのでそのDrの気持ちも十分わかるつもりで、現在は同級生君のような循環器疾患を起こす前の患者さんの予防に醍醐味を感じているわけです。最近読んだベストセラーの渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という著書に感銘を受けました。英訳すれば、Bloom where God has planted you(神が植えたところで咲きなさい)ですが、座右の銘となっています。

今年もやまほうしの花が咲きました。例年より2週間くらい早いようです。

やまほうしの花

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