プレ同窓会

昨年末に今年のお盆の中学校同窓会開催の準備として名簿作成しました。しかし住所不明の同級生が60人いて、これ以上の情報が集まらないため、友達の輪っ作戦を遂行すべくプレ同窓会を敢行しました。自分たちと交流の違う友人グループの同級生を集めて、そこから住所不明の同級生を一人でも多く探し出すことが今回のミッションです。しかし8月の同窓会までの長丁場を乗り切るためには、幹事スタッフとの懇親の場も必要で、それならば同窓会の名簿作成のためにプレ同窓会をやろうということになりました。

いつも皆と話していることですが、「どうせやるなら、嫌々やってもしょうがない。やるなら楽しまなきゃ損。遊び心も大切!」を合言葉にしています。プレを開催するにあたり、せっかくだから我々が中学生時代にお世話になった当時の一番若かった先生を呼ぼうということになりました。たまたま私が中学校の学校医をしている関係で恩師に声を掛けさせていただきました。私が中学1年の時に国語を習った先生で、その当時大学を出て教員免許をとられて最初の赴任が我が母校の中学校でした。現在はその恩師も校長となり来年には定年退職になります。つまりもう我々が教わったほぼ全ての先生が現役を引退されたことになります。また中学1年の時の当時はとても恐ろしいと思っていたバスケットの先生も来ていただきました。しかし実はとても人間味のある先生で、当時は殴られて当たり前の時代でしたので13歳の子供心に怖いと評価していたにすぎません。そして教育現場で手を出すことはよくないと言われて久しいのですが、私の個人的意見ですが、それに関してはいろいろな状況や許容範囲があり、今現在でも決して全てが悪いと否定する気はありません。同級生の飲み会ではいつもその話題が出ますが、個人的主観ですが、同意見の方が多いように思います。もう1人の先生は中学3年の時の担任の先生で、卒業後も先生のお宅に何度も遊びに行きました。その後、音信が途絶えましたが、今回30年ぶりにお会いできて感無量です。その先生には遊びに行った時に色紙に詩を書いていただき大切に保管していました。30年ぶりにその色紙を先生に再度読んでいただき、とても懐かしく読まれて、またアルコールのためか?ほんのり顔が紅潮していたようにも見えました。

久しぶりにお会いしたといっても33年ぶりです。恩師は60歳前後、我々は50歳前の中年です。でもやっぱり一気にタイムスリップしました。いつものお得意ワザです。中学は高校と違って地元密着型が多い反面、職種も高校よりも更に多種多様です。でも会えばニックネームで呼び合います。それがなんとも面白くて不思議な世界です。宴もたけなわで懐かしい顔を眺めて笑い声を聞きながら、今回の幹事を引き受けてあらためて人とのつながりを考えるきっかけをいただいたことにとても感謝しています。本日も酔っぱらう前に友達の輪っ作戦を実行すべく、住所不明の60人の同級生の情報交換と今後のチェーンメール作戦を説明しました。最後に今回出席していただいた皆様に同意をいただきましたのでその記念写真を掲載しておきます。

中学校プレ同窓会

カテゴリー: 同窓会のこと, 日常のこと | コメントする

ネットの凄さと最近のここだけのちょっと嬉しいお話

昨年からブログで自分の思っていることや職業柄どうしても伝えたいことなどを定期的に発信していますが、ブログを始めて半年が過ぎ、今回はこれまでにあったちょっと心温まる嬉しいお話をしようと思います。

まずネットの普及は僕らの世代以下ならほぼ100%といっても過言ではないでしょう。自分でも漢字がわからないときは国語辞典になり、過去のことを知りたいときは社会の本や過去の新聞記事を調べる図書館になり、はたまた英和辞典、和英辞典にも早変わりします。また科学やスポーツ、芸能関係からショッピングまでありとあらゆる情報を即座に手に入れることができます。ネットとは自分を目の前の画面の扉から世界のいろいろな場所や過去にまで遡れるドラえもんの現代版「どこでもドア&タイムマシン」といったところでしょうか。自分でも「過去に住んでいた東京のアパートが今どうなっているの?」と思えばグーグルマップでどんどんスクロール拡大していくと昔の家の前の路地まで写真で見ることができます。また過去の親友の情報を知りたくなれば、その名前を入力して根気よくスクロールしていくと、意外なところでその名前を発見できることもしばしばです。

昨年末に昔の中学時代の友人がネットで偶然にも私のブログにたどりついて、ブログを読んで思いがけずに嬉しいコメントをいただくこともできました。そしてそれをきっかけに先日15年ぶりに友人数名と会うこともできました。その時に今年の夏に中学の同窓会を企画して、現在地元にいる同級生が実行委員会を立ち上げて名簿作成に奔走中という旨をお話すると、その彼の尽力によりまだ所在がわからなかった同級生の住所がぞくぞくと判明してきましたのは嬉しい限りです。

もうひとつ嬉しいお話を最近耳にしました。やはり中学時代に育ったこの地で、今はこの地に実家がないけれど、偶然にもネットでこの地を検索していたら、私のホームページに到達して、同窓会企画のブログを読まれて、それをきっかけに昔の中学時代の友人に連絡をとられて30年ぶりにお話されたとのことをつい先日に友人からお聞きしました。ネットという文明の利器を利用して昔の友人と連絡を取ることができたことはとても素晴らしいことだと思いました。そしてそのちょっとしたいいお話に自分のホームページのブログが少しでもお役にたてたことがとても嬉しかったです。

このようにネットってクリックとスクロールすればするほど素晴らしい情報がたくさん埋まっています。しかしネット情報がすべて正しいとは限らないことを理解した上で使用していかなければなりません。またとっても便利な「どこでもドア」ですが、使い方を一歩間違えると相手を傷つけてしまう恐ろしい武器となってしまいます。また自分の意見に対してたくさんの批判を浴びてブログ炎上することもありますよね。このような素晴らしい人類が発明したツールを間違えないように利用して、これからもちょっと嬉しいお話を増やしていけたらいいなあと思っています。

カテゴリー: 日常のこと, 趣味のこと | コメントする

春一番の季節

毎年2月中旬頃より、春一番が吹き始めます。春一番といえばあのフレーズ、「雪がとけて川になって流れて行きます。つくしの子が恥ずかしげに顔を出します。もうすぐ春ですねえ。ちょっと気どってみませんか」そうキャンディーズですよね!昨年はスーちゃんの訃報を聞き、医療関係者としては「助かる命」と「助けられない命」があることに「神様はどうやって振り分けるのだろう」と思ってしまいます。自分たちの青春時代を猛スピードで駆け抜けて、「普通の女の子に戻りたい」という一世風靡をしたあの名文句で引退していったキャンディーズのことを、毎年春一番が吹くとついつい口ずさんでしまいます。

さて、今日は春一番でも医学的な見地からのお話です。毎年春一番が吹き、バレンタインデーのチョコ合戦が終わりを告げる頃から花粉症が出始めます。勿論、毎年のスギの生育や気温の状況に左右されますが、ちょうどその頃から患者さんの訴えが始まります。ではなぜこの時期よりも1か月も前に花粉症について書いているのかと申しますと、早い備えで症状の悪化がほぼ抑えられるという自らの体験談をお話したかったからなのです。

10年くらい前からだと思いますが、急に花粉症がひどくなりました。この季節、特に鼻づまりと目の痒みで集中力が低下し仕事の能率もかなりダウンしながらも、同じ花粉症状の患者さんには「もう少し早くから薬を飲めば楽なのにねー」と製薬会社のパンフレットをお渡しして、心では自らを戒めながら「来年こそは早めに来院されて薬を服用すればこんなにきつくはなりませんよ」と説明しながら薬を処方します。自分も症状が出て3-4年は服用するタイミングを逸して悪化してから飲み始めていましたので、症状がピークを迎えてから予防しようとしてももう遅かりしです。

そこで3年前に「今年はパンフレットどおりに症状が出始める2週間前から薬を飲み始めるぞ」と一大決心をして1月下旬から1日1回の服用を始めました。最初は本当に効果があるのかどうか疑心暗鬼です。しかし2月中旬になっても鼻づまりが起こりません。点眼薬も内服薬に遅れること2週間、ちょうどバレンタインデーの頃から開始しました。目もそんなに痒くありません。その年のピークは3月初旬ころでしたが、そのピーク時でも早めの服用により以前の最悪の時を100として、全く症状がないときを0とすれば、不快指数はほんの20-30程度でした。勿論、自分の症状にあった薬を吟味して使用したからなのですが、自分の症状に合致した薬を1月下旬から使用すると「こんなに快適にいけるのかあー」と当たり前のことですが、自分で身にしみて体験したわけです。

自らの体験と医学的理論が合致した花粉症治療、皆さんにもこの早めの行動があの不快な花粉症状を少しでも和らげることができることを知っていただきたくて、この一番寒い大寒の時期に春一番のことを書いた次第です。尚、症状や仕事内容により、例えば眠気がくるなどの副作用も若干ありますので、自分にあった薬を医師に相談して決めた方がよいのは言うまでもありません。備えあれば憂いなし!

カテゴリー: 医療のこと, 日常のこと | コメントする

早朝高血圧

今は1年で一番寒い時期の大寒の頃で、血圧も一番高くなる頃だと思いますので、今回は早朝高血圧のお話をさせていただきます。早朝高血圧とはその名のとおり朝起床時に高血圧を認めます。朝は一般的には血圧が低いと思われがちですが、実は全然違います。「1日1回血圧を測定するならば、朝一番の血圧を測定してください」と患者さんにいつも説明しています。

では、なぜ朝一番の血圧が高いのでしょうか?それはまず人間にはアクセルとブレーキに相当する2種類の神経が存在します。アクセルに相当する神経は交感神経と呼ばれて昼間に活躍します。よく日常会話でアドレナリンが出るといいますが、それは交感神経の仕業です。ウサインボルトが100m決勝で世界新記録を出して全力疾走したときは、交感神経は全開で、アドレナリンがガンガンに分泌されていたはずです。夜就寝時や安静時にはブレーキに相当する副交感神経が働き交感神経を抑えます。この二種類の神経がアクセルとブレーキの役割をしてうまくバランスをとっているのです。ですから早朝の副交感神経と交感神経の交代時期には、喩えれば三交代勤務で引き継ぎや申し送りがうまくいかなければ仕事が円滑に進まないように、血圧も朝起床時に上昇しやすくトラブルが起こりやすくなるわけです。

では、皆さんは車を運転されると思いますが、交通事故はどこで起こりやすいと思いますか?勿論、高速道路を時速200kmでぶっ飛ばせばかなり危険で一発免許取り消しになるでしょう。通常の高速道路で見渡すかぎり直線コースが続く場合、日本の高速道路ではあまり見かけることはないと思いますが、そこを時速100kmで走行する場合と交差点でスピードを落とす場合を想像してみてください。どちらの方がより危険が待ち受けているでしょうか?多分、交差点の方が多いはずです。それは信号があり、スピードを変化させるからだと思います。つまり血圧も変動するときに一番事故が増えるのです。だから朝一番の高血圧が事故を起こしやすい、即ち脳や心疾患の事故につながりやすいのです。

しかし健診では血圧測定は昼間に行います。「健診の血圧で正常だからあなたの血圧は大丈夫!」とは血圧の専門医は全然思っていません。まして健診で高血圧を指摘された場合、「早朝ではもっと血圧が高いのでは?」とか「人前で緊張する白衣高血圧では?」と血圧の専門医は考えているのです。また同時に自分の体は自分が一番よく知らなければなりません。ですから最近はどこの医療機関でも血圧手帳を患者さんにお渡しして、朝起床時と就寝時の血圧を記入していただくようにしています。そしてその結果を見せていただくと、医師もその患者さんの個々の血圧に対して的確なアドバイスができるのです。皆さんも面倒くさがらずにマイ血圧計を購入していただき、朝一番の血圧を測定してみてはいかがでしょうか。ちなみにマイ血圧計は腕に巻くタイプがベストです。手首に巻くタイプは簡単ですが、数値が高めに出る傾向があるようで、専門医はお勧めしません。

カテゴリー: 医療のこと, 日常のこと | コメントする

「動的平衡」(背表紙にサッカーの岡田元監督絶賛につられて購入)を読んで

動的平衡・生物と無生物のあいだの2作を立て続けに読みました。以前から読みたいと思って購入していたのですが、なかなか読めずにいましたが、やっと時間がとれましたので一気に読みました。どちらもすばらしい作品でしたが、この作者の福岡伸一先生の素晴らしい点は研究者としての業績は勿論ですが、その内容を素人でもわかるようにそれも専門的なことを一般的な事象にして語ってくださることだと思います。

生物と無生物のあいだでは、医学的な知識が必須のDNAやRNAのことを全然知らない文系の読者でも理解できることです。しかし個人的には動的平衡の方が感銘を受けました。その中で例えば、若い頃の1年と年をとってからの1年は同じ1年でもかなり感じ方が違うという内容でした。それを人体の細胞時計の観念から年をとった方が細胞の時間的周期が遅くなるため、同じ1年の時間経過を速く感じてしまい、若者の1年は細胞の時間的周期が速いため相対的に遅く感じてしまうとのこと。それが真の答えかどうかは定かではありませんでしたが、自分の中では納得です。

もう一つはダイエットについてです。このテーマは、自分の仕事の中にもメタボの改善があり、「ダイエットするには運動するより食べないこと」が究極のダイエットだと極論してきた自分にとって福岡先生のお話は自分の理論がまちがってないことに確信を持ちました。詳細は省きますが、現代の飽食の時代では困難でしょうが、人間が生きるのに必要な最低限のエネルギーさえ取れば決して太らないということです。つまり戦前、戦後の貧困時代に栄養失調と向き合いながら生きてこられた人々が、現代の超高齢化社会の主役になっているのです。

患者さんに「どうすればダイエットできますか?」とよく質問されます。そのとき私は「30万円もって、アフリカに行って、ボランティア活動に参加してください。そうすれば半年後にはスリムになって帰国できますよ。それと日本という国が非常に物にあふれた豊かな国である一方、どれだけ食べ物を粗末にしている国かが実感できますよ」と答えるようにしています。個人的にはアフリカにボランティア活動として実際に行ったことがないので実感が湧きませんが、多分間違いないのではないかと思っています。テレビ番組でグルメ紀行なる特集をよく見かけますが、食べ物を粗末にしないという内容の特集も組んでいただき、そのような教育が資源の少ない日本にとり是非必要ではないかと思います。また物が豊かな国と心豊かな国はどちらが本当に幸せなのでしょうか。

今回、福岡先生の本を読み、科学的に生きているという意味を異なった側面から考え直させていただきましたが、ある意味とても哲学的な内容でもあり、自分にとってとてもためになる時間をいただきました。…と書いていましたら去年の12月に動的平衡2が書店に並んでいましたので、早速買いました。そして今度はいつ一気に読もうかと考えているところです。

カテゴリー: 医療のこと, 日常のこと | コメントする