秋の永源山公園

当院でメタボの患者さんにお渡しする総合手帳を現在作成しています。手軽な運動療法としてジョギングがあります。といっても走るのではなく早歩きがメインです。その最適なコースとして永源山公園の模範コースがありましたので、実際に適しているかを確かめるために現地調査に行ってきました。秋もたけなわですが、木曜の午後とあって人もまばらでした。秋の爽やかな風とまだ照りつける太陽の光があいまって、少し汗ばむくらいのとても気持ちのよいひとときでした。

近くに住んでいると、とてもいい場所なのにほとんど行かないことってよくありますよね。この永源山公園もチューリップやゆめ風車など改めて見ますといい場所だなあと思います。いいアングルのショットを撮るために今日はゆっくりと周囲を見回しながら散策しました。コースを歩きながら勿論ジョギングもありますが、年配で脚力に自信のない方は歩行するだけでも精神的、肉体的にリフレッシュでき、メタボにも効果ありです。しかし慣れない方がいきなりがんばりすぎると、アップダウンもかなりあり筋肉痛になりそうですので、最初から飛ばしすぎないようにされた方が無難です。

小鳥のさえずり、自分を通り過ぎていく風の音、地面を踏みしめる土の音などが妙に耳に入ってきます。隣で小さな子供が母親と遊んでいます。全てが自然に溶け込んでいます。この一瞬の感動を忘れないように言葉に書き留めたくなりました。最近、ブログを書き始めてとても言葉に敏感になってきました。どのように書いたらその情景を相手のまぶたに浮かぶように伝えることができるだろうかと。「人類しか持ってない唯一のツールとは?」と聞かれたら、すぐさま「言葉!」と答えます。このすばらしい言語を日本人は日本語を母国語として、これから永代末裔まで伝えていかなければならないと思います。本日のブログは言語のすばらしさではなく、メタボに打ち勝つためのジョギングコースの開拓と紹介が主題でしたが、少し話題がそれてしまいました。

実際のコースを歩いてみて春夏秋冬メタボ克服にはとてもよいコースだと思います。無理せずに自分のペースで歩くことが特に重要です。秋の爽やかな午後、心の中もとても爽やかになり明日への活力となりました。

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同窓会の幹事って大変?

お盆のブログに「同窓会の終わった夜」を掲載しましたが、今回は「同窓会開催の前夜まで」とでも題名をつけましょうか。このお盆は高校の同窓会でしたが、出席者で同じ中学出身の方とは6年間も一緒だったため、自然と中学時代の話にも花が咲きます。そうすると「今度は中学の同窓会もやらんにゃあいけんねえ」という話になります。過去遡ること32年前の1979年3月に15歳の旅立ちでした。中学までは地元ばっかりでしたが、高校からは周辺の広い地域からも人が集まります。ですから、中学の同級生はどちらかというと、昔からの幼馴染で今でもアホなあだ名で呼びあえる近所の友人たちという感じでしょうか。高校の同窓会の時は思い出話に終始して、「できたらやりたいねえ。でも幹事って大変だよねえ。前もかなり苦労してたもんなあ」と自分にとっては他人事でした。

先日、虫の知らせというか嬉しい予感の1本の電話がかかってきました。「来年のお盆に中学の同窓会を15年ぶりにやろうと思うんじゃけど、手伝ってもらえん?」とのことでした。勿論、地元に住んでいる連中が中心にならなければなりませんので、断る理由はありません。しかし、15年前のそれも完全ではない住所録をジグソーパズルのように1個1個埋め合わせていくにはかなりの辛抱と苦労が必要です。昔よく流行ったフレーズで「友達の友達は皆友達。世界に広げよう友達の輪っ!」でいくっきゃないでしょう。一人ひとりの記憶と中学の交友関係、最後にはご両親がご健在ならば、地の利を生かして実家に訪ねていくなどなど。

訪ねて行っても同級生が自分と幼馴染でそのご両親が自分のことをよく知っていれば「ハイッ、ああっ、あの時のしいぎくん?大きくなったわねえ。待ってて。今息子の住所教えるわね!」となるでしょう。それでもほとんどのご両親はご健在でも、後期高齢者です。現実は出てきたお婆さんが「はあっ?今、なんて言われましたかいのう?耳が遠ゆうて・・・」でしょうか。またあまり自分と交流のなかった同級生の実家に伺ったならば、居留守を使われるのが関の山でしょう。運よく出てこられても、この怪しげな中年をまじまじと見ながら、「本当にお友達ですかぁ??押し売りではないでしょうねえ?」と疑われるかもしれません。今の時代、高齢者がオレオレ詐欺で騙される時代です。仕方ありません。

どうなることやら、道のりは長そうです。でもそれはそれでいろいろな方とお話しできますので、楽しみながらやっていきたいと思います。今後の同窓会開催の前夜までの実況中継をお楽しみに!

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東大寺を訪ねて

先日、奈良へ行く所用があり、少し空いた時間を利用して東大寺を見てきました。中学3年の修学旅行以来です。自分の記憶の中には東大寺=奈良の大仏さま=鹿でしょうか。こんなことを言ったら叱られるかもしれませんが、記憶なんて所詮そんなものだと思います。過去に訪れたかすかな記憶を頼りながら、奈良公園から大仏殿までの散策を楽しんできました。

東大寺真っ青な秋晴れのもとJR奈良駅に到着。さあ、30年ぶりの大仏さまとのご対面です。まずは市内循環バスで大仏殿春日大社前まで行き下車します。そこから200mくらい歩くと、南大門に着きます。そこには金剛力士像が向かい合って見事なまでに睨み合っています。そしてメインの大仏殿へと向かいます。

中学生当時もあの大きな大仏殿を見上げた時には大きいと感じたのでしょうが、今はその当時の記憶が残っていません。もし本当にあの大きさのイメージが頭のかたすみに残っていれば、一瞬にしてあの当時が蘇るはずです。でも今回は残念ながら記憶が蘇ってきませんでした。今日、再びそびえ立つ世界最大の木造建築物を見上げると、とても自分がちっぽけに感じました。なぜだかわかりません。大仏殿に入ると大きな大仏さまがでんとかまえて座っておられました。建物も大仏さまも30年ぶりの再会でしたが、次にお会いするときにはもっと自分がちっぽけに感じるのか、はたまた大仏さまがちっぽけに見えるのかが楽しみです。

追記ですが、大仏殿の中のお土産屋さんでお守りを買いました。年は80歳近いお爺さんが売られていて、値札は500円と書いてありましたので5000円札を出しました。すると4000円のお釣りでした。勿論、領収書もないのですが、あなたならどうしますか?私も悩みました。正しい主張と今回は寄付したと思って快く帰りたいという気持ちが瞬時に頭の中で交錯しました。私のとった行動は多分あなたが考えた行動と一緒だと思います。

次に二月堂もみてきましたが、残念なことに改修中でシートがかかっていました。しかし二月堂から望む東大寺大仏殿の屋根と奈良市内の風景はとても秋の空に映えていました。いつかお水取りは見たいと思っています。

ただ今回の東大寺訪問はおまけのようなものでしたので、足早に見てまわるだけでしたが、

それでもやっぱり世界遺産でもあり、日本の宝だと思います。もうひとつ有名な世界遺産である法隆寺についてはまたの機会に書きたいと思います。お楽しみに!

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朝ドラ

早速ですが、あなたはNHKの朝ドラを見ますか?勿論、仕事があるから見ることができないという方も多いでしょうし、それでも見たいならビデオにとって暇なときに見ることもできますよね。個人的にはニュース以外にテレビをあまり見ることは少ないのですが、朝のニュース番組に引き続いて朝ドラを見るということはよくあります。

私の場合、朝7時すぎから30分程度当日の仕事の準備をしてそれからニュースを見ながら一休みして、8時20分から仕事に入ります。よって8時からの朝ドラの時間帯はNHKのニュースを見たついでにそのまま見てしまうことも多いのです。今回の「おひさま」は結構気に入っていたのですが、すべて見ることはできず、おおよそ3-4割くらいは見たでしょうか。それでもなんとなく全体のストーリーはわかりました。長野の安曇野を舞台にしたきれいな景色とその中での主人公が家族や友人と生きてぬいていく戦前戦後から現在までの時の流れのお話にはとても惹かれました。もっとしっかりと見ればよかったと最終回を見ながら少し後悔してしまいました。

ところで今までにかかさずに見た朝ドラが1本だけあります。10年前にあった沖縄の小浜島を舞台にした「ちゅらさん」です。もともと沖縄、特に八重山諸島が大好きで何度も足を運んだ場所が舞台でした。また偶然にも、脚本が今回と同じ岡田惠和さんでした。そのとき以来です。自分でもはっきりとはわからないのですが、感性的な部分で岡田イズムに惹かれているのかもしれません。

ドラマでも内容やイメージからその脚本家や作者が好きになり、かかさず同じ作者の書いた本やドラマを見るということはよくありますよね。一昔前ですが、山田太一さんの「ふぞろいの林檎たち」のシリーズなんかもそうでした。その時はサザンの「いとしのエリー」が主題歌で、最後のさびの「エーっリーいいっ」というフレーズと林檎を投げているイメージが今でも脳裏に焼き付いています。勿論、作品の内容や登場人物なども脳のひきだしの片隅に記憶を残すためには大切な要素ですが、同時に視覚と聴覚に訴えるイメージも重要な要素だと思います。あのフレーズを聴いたらあのイメージを思い出すのと同時に、あの頃の自分を思い出すといったふうに。

また10年くらい後に岡田惠和さんがNHKの朝ドラを担当されるかもしれません。そのときはお互いに10年の年輪を重ねた作者と自分が新たな作品を通してどのように五感で感じることができるかが楽しみです。それまでに更に自分の感性に磨きをかけておこうと思っています。

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喘息の季節が到来

9月下旬から10月下旬の頃を医学の世界では喘息の季節と呼んでいます。ちょうど残暑が残る初秋から爽やかな秋晴れで夜間は肌寒くなり、ふとんがないと眠れないなあと思い始める中秋の頃です。ちょうど昼と朝晩の寒暖の差が大きくなる頃です。気管支は気温の変化に敏感です。ちょっとした温度差や埃など環境の変化により気管支は収縮しやすくなります。気管支の収縮つまり気管支喘息が起こってしまうわけです。

勿論、埃などのアレルゲンを取り除くことは重要ですが、なかなか全てを取り除けません。また季節の変化を暖房器具などでコントロールすることも困難な場合も多いと思います。喫煙される方でこの時期に咳がひどくなる場合も同様です。

「市販の風邪薬を内服して風邪は治ったけど、その後咳だけがずっと続く」とか「のどにいつも痰がひっかかったような感じがして自ら咳払いをして痰のからみをとろうとしなければならない」とか「寝ているときの寝息がヒューヒューと音がする」など訴えられる患者さんがこの時期に急に増えます。この状況が喘息症状の始まりです。本人は「風邪が長引いている」と言われますが、専門的にみれば気管支喘息と診断するには少し大げさですが、事実上の喘息症状があり、喘息の薬を処方すると改善することも多いわけです。そのような状態を患者さんにわかりやすいように私の造語ですが、「喘息もどき」と説明しています。即ち、「風邪以上喘息以下」の状態で、喘息の薬を短期間使用すると非常に効果があります。

もともと喘息と診断されて治療されておられる患者さんは別として、このような病状がこの季節に増えるのです。あと6-7月の梅雨の時期にクーラーをまわし始めて、ダニやカビや埃が空気中にまってそれを吸うことにより同様の症状を起こす患者さんも多くいらっしゃいます。これも「クーラーによる喘息もどき」と個人的には呼んでいます。一般的にはインフルエンザや風邪が流行する時期にこじれて喘息症状が多くなるのは当然ですが、夏から秋にかけて喘息症状が多いことをご存じの患者さんは意外に少ないように思われます。

もしご自身や周囲に似た症状の方がいらっしゃいましたら、一度医師に相談してみてください。喘息の治療もここ10年で目覚ましく進歩しています。喘息の治療の今昔物語はまた後日のお話させていただきます。

 

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