シミラン諸島を旅して その1

大晦日に一人での海外旅行への出発は生まれて初めてです。友人や家族とは何回も行って旅慣れていますが、今回はドキドキしながらの出国手続きです。その矢先にダイビングに必須のダイビングコンピューター(通称ダイコン)がいきなり福岡空港で電池切れとなり表示画面が消えてしまいました。何とも幸先の悪い旅の始まりです。今年はいろいろとあった1年でした。来年はいい歳(50歳)にと思っていた矢先の出来事でしたが、考えようによっては電池切れと一緒に今年が終わってくれて不幸中の幸いです。新年に持ち越さずによかったと逆に割り切りました。このダイコンとはデジタル腕時計の大きさで水中では水深や水中滞在時間、そして体内の窒素残量の蓄積を計算します。また浮上するときに速度が速いと肺動脈に空気の栓ができて閉塞して大事故につながることもあるためその監視もしてくれる大切な機材です。そのような大切なダイコンが使えなくなるとやはり不安ですが、一緒に潜水するダイビングインストラクターの後ろに金魚のフンの如くくっついていかなければなりません。ある意味ダイビングライセンスを取得したばかりの若葉マークに戻って初心の気持ちでダイビングをすることに徹しようという気持ちとやはり不安も入り混じりながらの飛行機の中での道中です。

シミラン諸島を旅して1初めてのツアーダイビング、参加者も面白い方々がいらっしゃいました。海外商社でタイに駐在の方やJRの方や銀行員そして同業者など皆それぞれ人生経験豊富なダイバーで年齢も30代後半から50歳前後の自分と同世代の一人旅の各々6人とダイバー夫婦とその子供(3歳)で合わせて9人でした。スタッフはダイビングインストラクター2人にボートクルーが4人の合計15人の3泊3日の旅の始まりです。まずはボートに乗って夜中の揺れながらの深夜便で目的地を目指します。風が初日はやや強く夜中の移動で船がかなり揺れてあまり眠れません。船酔い予防のための薬ものんでいますが、まる24時間の移動でクタクタの状態です。翌朝からのダイビングもゲロゲロ状態になりその日の予定4本のダイビングは3本しかできませんでした。ダイビングの詳細は次回に触れますが、やはり魚影が濃く海外でのダイビングに満足です。また3食も船で食べましたが、地元の家庭風タイ料理で日本人に合わせて作ってもらっているせいか?辛さは控えめです。そしてなによりも食う・寝る・遊ぶ・そして語り合うという贅沢な正月休みとなりました。

特にこのクルーズの一番いいところは夜な夜なアルコールを飲みながら自分と同世代だけれども自分には全く未知の違った人生経験のオンパレードのお話が聞けました。いろいろな本や見聞きで情報というものはそれなりに入ってはきますが、その道のプロが何十年とかけて積み上げてきた物語です。もう聞いているだけで「海は広いよ、大きいよ、行ってみたいなよその国」という感じで自分はしゃべらなくても皆が語り尽くしてくれます。実はこの語り合いこそがダイビングと並んで今回のクルーズの最大の目的でもあったわけです。今月に50歳へと突入する直前の自分にとって最高のお土産となりました。なんとなく霞がかかっていますが、目標の方向性は見えてきそうです。それでは続きは次回に。

シミラン諸島を旅して2

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年初めに

「1年の計は元旦にあり」と小さい頃から必ずお正月に学校の宿題で書初めを書かされていました。習字を習っていなかった私はそれが苦痛でした。今から思えばパソコンが発達して年賀状も手書きではなく宛名印刷で100枚程度がものの30分で印刷できます。そして決まりきったように「今年もよろしく・・・・」と一言加えて年賀状も完成。昔だったら学校でゴム版を近所の文房具店で購入し鉛筆で下書きして、彫刻刀で掘っていく作業を毎年年末になると苦も無くしていました。今では毎年のことながら年賀状を書くことが億劫になっています。メールで「あけましておめでとう」と送るのは友人ならまだしもいいでしょうけど、昔からお世話になった恩師や知人には失礼でしょう。しかし実際の内容はといえば書いた通りで、まだこの世に生きているよという年に1回の証が年賀状というレベルに成り下がってきたのも事実です。ですからたまにお手製の年賀状をいただくと感激ものです。「今年こそは自分もお手製の年賀状を書くぞ」と意気込むものの300日も経過すれば過去の戯言のようになってしまいます。画面の中だけでこの世の中が進んでいくと人間の脳みそは漢字を読めても手で書こうとすると書けないという文明の利器症候群も出かねません。個人的にもその副作用が心配になりつつあります。

昔はスーパーやデパートに年末の買い物に行くのが楽しかった記憶が遠くにあります。お店も大晦日と元旦は閉めて2日が初売りでした。そしてお正月を迎えるために買い物客のせかせかした気分が入り混じって独特な息遣いが伝わってきました。そのなんともいえない忙しさがまたよかったのです。しかし今は年末セールを31日まで、元旦の朝から初売りセール。コンビニにいたっては365日変わらずいつものように動いている世の中が普通とかして、閉まっていたら「何事か異変でもあったのか?」と逆に心配になる時代です。

話変わりますが、今月で私もとうとう50歳の大台に乗ります。昔から思えば予測すらすることができなかった未知の年代です。そのような年の初めに「今年は何をしようかなあ?」とか「何を目標に掲げようか?」などと思っていた少年時代の姿は微塵もないけど、内面だけでもその初々しい気持ちで臨みたく思っています。さて「このお正月はどうされましたか?」と聞かれたら12年ぶりに一人旅をしてきました。プーケットへのダイビングツアーに一人で参加しました。およそ8人のツアー客とスタッフで総勢15名、全長25mのクルーズ船で寝泊まりしてダイビングポイントを周遊するツアーです。以前から行きたいと思っていたのですが、なかなか行くチャンスがなくて今回が初めての試みです。長女は受験を控えていますし、私が家にいて飲んだくれて「がんばれ!」と応援しても邪魔なだけです。またこれからの自分の残りの人生について少し一人になって考えたいなと思って決めました。このさらさら日記が掲載される1月6日は仕事始めで昨日帰国しました。この一人旅で自分は何を考えて何を得られたかについて、おいおいこの日記に書いていきたいと思います。まずは次回からプーケットダイビング日記がスタートです。

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今年を振り返って

1年って早いものですね。もう今年もあと1日です。皆さん、今年はどんな年でしたか?来年はどんな年にしたいですか?とありきたりの質問になりますので、質問内容を変えましょう。では10年後のあなたはどうなって何をしていますか?これなら少しは考えてみようかなと思いませんか。昔から来年の事を言ったら鬼が笑うという諺があります。現在ほど不確定な時代はないので10年後なんて言ったら鬼がいくら笑っても足りないでしょう。

それでは今年1年を駆け足で振り返ってみます。今年も家族ともども無事に過ごせてよい1年でした。私は個人的に株などの証券関係はあまり知りませんが、アベノミクスという当初は口先介入だけかと思っていた株価が徐々に上昇して大都市の景気が上向きました。しかし地方はまだまだです。夏は暑くて本当に異常気象ばかり目立って山口県も須佐で激甚災害がありました。3.11以降、災害のことが頭をすぐによぎるようになりました。備えあれば憂いなしで重要なことですが、何か明るい話題はないかな?と聞かれても前半はあまり思い出せません。しかし9月に東京オリンピック決定!これが今年最大の明るい話題でしょう。これで2020年までの夢や希望の明るい光が垣間見えたような気がしています。それまでの7年間を考えても自分がどうなっているのかさえわかりませんが、病気をせずに元気でいることができたら、その時は子供たちもほぼ独り立ちして自分の子育てもほぼ終了に近づいているはずです。子供たちはどのような大人になっているのだろう?という親としては至極当然の夢を抱きながらいい歳を取っていけたら最高でしょうね。

もう7年目になりますが、日記帳で有名な石原の10年日記を書き続けています。ただし毎日書いていると本当に書くことがなくなり、小学生の日記のように事実の羅列になることも多いのですが、1年1年と積み重ねていくと去年、一昨年の同じ日に何をしていたかはその日記の内容を読むと「ああ、あの日ね」と記憶が蘇ります。大きな出来事でなくともあの日が蘇ってくるのです。それがとても嬉しいのです。それが5年も6年も並ぶとそれは本当に自分のお宝になっていくのです。皆さんも小学生日記で十分ですから継続は力ですので書かれることをお勧めします。必ずや10年経って見返せばお金では買えない素晴らしい宝物になること間違いなしです。そしてそのところどころに本当に自分が感動した記述を見つけたり子供たちと一緒に過ごして遊んだ記録が残っていればもう感激ものです。誰でも何か打ち込むものがあると思います。仕事でも遊びでもまたは子育てでも。しかしその記録はあとになって人生を振り返ってみてもほとんど残っていません。「あのときはつらかったし苦しかったけどがんばったよな」程度の靄のかかった記憶程度です。しかしつたない小学生日記で事実の羅列だけでもそれがたくさん貯まればお宝になるのです。「ちりも積もれば山となる」という諺にもあるように「一歩一歩と地道に前進していくことのみがとてつもない大記録につながる」とイチロー選手も言っています。本当にその通り!

それでは皆さんよいお年を!

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今年の流行語大賞と清水寺での漢字に想う

12月2日に今年の流行語大賞が発表されましたが「じぇじぇじぇ」「倍返し」「今でしょ」「おもてなし」4語受賞には参りました。さすがに今年はどれか一語に絞りきることが不可能なことには納得いきますが、これでは流行語大賞ではなくなってしまいそうです。しかしどの言葉を聞いても今年をより鮮明に映し出す言葉に違いはありません。また12月12日の漢字の日に清水寺の年末恒例の漢字一文字は「輪」でした。その発表はライブで見ました。この一文字を清水の舞台で大きな筆で一気に書き上げる姿を見るともう年の瀬も中盤にさしかかり今年もカウントダウンに入ったなあと感じてきます。

今年の世相を表現する言葉。毎年この時期になると今年の流行語と漢字が何かを自分なりに予想しますが、なかなか当たりません。個人的には流行語は「じぇじぇじぇ」と「倍返し」の一騎打ちと予想していました。「今でしょ」と「おもてなし」はダークホースといったところ。漢字は安倍ノミクスで経済がよくなり株価が2倍に上昇してほしいし、おもてなしで更に上のサービスをめざし、オリンピックが東京に決まり日本丸が上昇気流に乗ってほしいとの願いを込めて「上」「倍」を予想していました。なかなか博打と一緒で予想は当たらないものですね。まあ当たってそれだけで自分の運を使い果たしたくないのではずれてよかったと負け惜しみも込めています。

漢字一文字でもその前後に漢字をもう一文字付け加えるだけでいろいろな熟語になり意味も異なってきます。それぞれに思いを込めた意味があるので本当に中国伝来の漢字は素晴らしいと再認識させられます。これが英語ならアルファベット26文字の組み合わせでいろいろな言葉が作れますが、この難しい漢字を使いこなしている日本人にとり英単語はすごく単純に思える一方で、その言葉に隠された背景や情景を連想することが日本語よりも困難に思えてなりません。これはあくまでも日本人一個人としての意見で、もし私がアメリカ生まれのアメリカ育ちだったら必ずしもそう思わないのかもしれません。英単語でも漢字の部首などと同じようにその一部に意味があることは理解していますが、どうしてもアルファベットの記号の羅列にしか見えなくて、漢字のようにその字を見るだけでその情景を思い描くことは困難です。

それでは来年の漢字は何に期待でしょうか?約30年前ですが、昔の新宿の繁華街では一人で酔っぱらっても歩けました。しかし今は恐ろしくて歩けません。かなり日本も治安が悪化してきていますが、アメリカや他の諸外国と比較すればまだまだ世界一治安のよい国だと思っています。メタボも治安も全て悪い方向にグローバル化しています。日本人が日本人らしく節度と礼儀を重んじて人に優しい国になってほしいという意味を込めて、また周辺の国々とは仲良くがモットーですが、相手の言いなりには決してならないような強い国になり分別のある日本人になってほしいという気持ちを込めて「優」「強」を押したいと思います。来年流行しそうなフレーズは全くわかりません。

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誤表示・誇大表示について考える

最近、有名デパートやレストランで次々と誇大?誤表示があぶりだされています。話は違いますが、どこかの首長が民間から無担保無利子でうん千万円借用してその説明責任に追われています。借り主は普段はネクタイを締めてしゃきっとして歯に着せぬ物言いで世間の支持を集めてきましたが、今回ばかりはそうはいかずに釈明会見に追われてその説明も曖昧さが多々あります。もうかなり前になりますが、建築設計の耐震偽装も騒がれて、世間で偽装という言葉が流行りましたよね。刑事事件か民事事件かそれともトップの「この度は世間をお騒がせしまして申し訳ございませんでした」ぺこりでちゃらになるのでしょうか?どれにしても考えてみれば背景に根深いものが見えてきます。今回はその中で誤表示・誇大表示に焦点をあててみましょう。さすがに偽装だったらお縄になり議論の余地などありませんので、グレーな部分である「誤表示・誇大表示」についてです。

具体的にはバナメイ海老を芝海老と誤表示したことに事の発端があります。ことば辞典で調べると芝海老もバナメイ海老もクルマエビ科でその下の属が異なると書いてあり、ブラックタイガー海老もクルマエビ科で属が異なり別名で牛海老のとのこと。ということは「クルマエビあります」と書けば誇大表示かもしれないけれど誤表示ではないのでしょう。それをクルマエビと大雑把に書くよりも名前を詳細に書くと誤表示になるのでしょうか?さらさら流でいえば居酒屋で「冷えたビールあります」ならOKなのに「冷えたヱビスビールあります」と表示があり、いざ入ってキンキンに冷えたアサヒビールやキリンビールしか出てこなかったら誤表示だけど、時には品切れのこともあるからまあ仕方ないかになります。しかしぬるいビールしか出てこなかったらそれはアウトでしょう。また海外旅行で現地添乗員が「日本語通じます」だったら日本人でなく現地外国人の片言日本語でもOKでしょうが、「日本人通訳います」とパンフレットに書かれているにもかかわらず、日本語がペラペラの外国人が来てもそれは契約違反になってしまうでしょう。

要するに今回もグレーゾーンを利用する業者がいるから大騒動になるので、きちっとしたことをしているお店からみれば腹立たしいはずです。それもお金が絡めば尚更のこと厳しい意見や批判が出てくると思います。ですから「無担保無利子で5000万円を選挙資金ではなく個人的に借用書を書いて借りました。すぐに返そうと思ったら1年が経っていて、その返済が東京地検の査察の後でした」と言われたらやっぱりどこまでが真実かは闇の中のように思います。皆さんはどう思われますか?結局、資本主義の世の中では先人の言葉を引用すれば悲しいかな「グレーな部分をいかにうまく活用するかが企業の利益を左右して法律はその黒い境目をはっきりさせるためのものだ」と言われていました。個人的には一部は肯定せざるを得ないものの納得できない部分も当然あります。しかしそれを否定するだけの理論や根拠も持ち合わせていません。それでも次の若い世代にバトンを渡す中年世代としては「やっぱり騙され損というのがまかり通る世の中」にはしたくありません。

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