医療従事者から新型コロナワクチン開始へ

2月になってEUがEU以外に新型コロナワクチンを輸出する場合には許可が必要と言い出して日本への輸出も大丈夫か?と暗雲が漂っていました。しかし2月12日にベルギーからファイザー社の新型コロナワクチンの第一便がANAにより成田空港に40万回分到着しました。それを待ちわびたかのようにその日の夜に厚生労働省でワクチン承認の可否について話し合いが行われましたが、その会合は形式上の意味合いが強く予定通り3月第1週から国立病院を中心とした2万人に接種が始まりました。その後400万人とも言われる我々医療従事者に接種が開始されました。先月中旬から医療従事者に対してワクチン接種の説明会を開催して接種会場での実際の流れなどを委員会で何回も話し合ってきました。我々医療関係者が率先してワクチンを接種することはある意味大人数の実験台の意味合いもありますが、それ以上に今までは望遠鏡だけを持って武器や防具を持っていなかった最前線で戦う者にとってやっと盾を手に持つことができたようなものです。しかしその後の追加のワクチンの入荷が確定せず予定の3月中に我々は接種できませんでした。

やっと4月の下旬の木曜の午後に周南市総合庁舎のホールと西部地区はイオンモールに数百人の医療関係者が密にならないように時間差で集合しました。各診療所の医師や看護師や事務職員そして薬剤師、歯科医師など事前にグループ分けされた第一陣の接種が始まりました。正月明けから史上空前の大規模なワクチン接種に向けて試行錯誤で取り組んできた関係者としては「やっとここまでこぎつけたか」という思いも過ぎります。一方でこの医療関係者へのワクチン接種が今後始まる全国民へのワクチン接種への第一歩となるのです。もっと大量の人を効率よく密を避けて接種していくためのノウハウをこの第一弾で我々は学習しなければなりません。その予行演習も兼ねています。今回は医療関係者ですので認知症もなく歩行困難もありませんし、事前に自院のスタッフは問診表に記入してそれを私がチェック済ですので会場で接種するだけですし、各個人の体調や既往歴も把握していますので、接種の手順の確認と接種後の副反応に対する対応の確認が主な作業となります。現在、一部高へ齢者のワクチン接種は開始されていますが、5月からが多くの高齢者接種の本番になります。被接種者の既往歴などは問診表の紙一枚とその場の会話で判断して接種の可否を決めなければなりませんのでかなり骨が折れる仕事になりそうです。それでも我々の先行接種で実際の問題点を洗い出せたのは大きな収穫です。

午後3時間でおよそ400人程度が接種を受け今週中にあと2回で周南市の医療関係者およそ1600人の第一回目の接種が完了します。大きな病院は独自に自院で接種しますので5月中旬までに周南市の医療関係者5000人が2回の接種を完了し、それと並行して高齢者一般接種も本格化します。そして約半年かけて接種を希望する周南市民のおよそ10万人に優先順位を決めて順次接種をしていきます。これからが本番で気の引き締まる思いです。また実施しながら順次軌道修正もしていかなければなりません。

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才能と人格を兼ね備える人物

以前に新たな才能の発掘についてブログに書きましたが、人それぞれが適した才能を開花できれば自分も楽しいし生活も豊かになります。才能は多種多様で莫大な数で存在しますので、その才能が各個人とマッチすれば社会にも貢献でき自身の人生も充実します。才能は必ず自身にも社会にも貢献しますが、才能ある人が人格者であるとは限りません。むしろ才能がお金儲けの道具と化し社会悪になることさえもあります。人格とは全く別物ですが、人格自体が人を惹きつける一種の才能かもしれません。人間社会でコミュニケーションを取りうまく相手と調和していくためには人格は必須です。才能と人格を対比すると才能は個人の能力で誰にも真似できないものであり、一方で人格は相手が必要で対人関係の能力で努力で身につけることができるものと言えるかもしれません。

この世の中を見渡しても才能と人格を兼ね備えた人物はなかなか存在しません。才能だけをクローズアップすれば世の中にはたくさんいます。例えばプロ野球選手、サッカー選手等々。そして大学を見れば教授、会社では社長なども才能の一端を発揮した結果です。ただしその才能の中で人格も備えた人物というとかなり減って来るでしょう。一方で人格という面をクローズアップするとこれは生まれつきに天から与えられたものではなく、その人が生きていくうちに自然と学習して身につけたものです。勿論、幼少時の親の影響も大きいと思いますが、それだけで規定されるものでもありません。その後のその人の生き方によっていくらでも人格は良い方向にも悪い方向にも変化していきます。

以前ならスポーツ新聞や週刊誌を買って才能ある芸能人やスポーツ選手の醜態が面白おかしく書かれた記事を読んで「才能ある人が自身のテリトリー以外では本当に人として大丈夫か?」とよく思ったものでした。しかし現在ではネットによりそのようなゴシップが嘘か真実かは別として手に取るように入手できます。ネットが発達した現在でも才能と人格を兼ね備えた成人君主にはなかなか出会えません。才能を駆使して物事を突き詰めた人物は一挙一動も洗練されて凄いなあと思うのですが、最近はなかなかそのような人物に出会えないのです。それはそのような人物が減ったのか、それとも昔ならネットがなく情報がそこまで乱立しなかったので人格者と思っていた人の化けの皮が剥がれなかったのかもしれませんし、もしかしたら自分自身がちょっぴり成長したのかもしれません。

いずれにせよ才能と人格を兼ね備えた人物が世の中を動かしていくことには間違いありませんが、それぞれの評価は全く異なります。どちらも社会にとっては必須ですが、普段の生活では才能よりも人格が優先されるでしょう。自分も才能があまりない分、それを努力でカバーしてきました。人格は理論的には努力で変える事ができますが、生まれ育った気質や生まれ持った性格を変える事は実際には困難です。それでも人格評価を少しでも上げたいと思うのは世の人の気持ちでしょう。この歳になると才能はどうでもよくなって少しでも人格で世の中から評価されたくなります。

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これが最後のお受験

次男がこの春に高校3年になりまたまた我が家は受験モードに突入です。この十数年間に何度受験の年を迎えたかは数えきれません。しかし本当にこれが最後のお受験になりました。勿論、浪人すれば来年も続けて連荘になりますがそれは考えない事にします。また上二人はいずれやって来る国家試験もありますが、親としては大学に入学させるまでが世間で言われるお受験であって、大学卒業時の卒業試験や国家資格試験などはお受験にカウントはしていません。後者の試験はあくまでも本人たちの試験であって、親としては合格してもらわなければいけない事に関してはお受験と同じですが、親として気合の入れ方が前者とは全く異なるのは皆さんもおわかりでしょう。童謡に「行きはよいよい。帰りは怖い。怖いながらも通りゃんせ、通りゃんせ」という歌詞に親の気持ちがそのまま代弁されています。入学までは親の責任、そして卒業は本人の責任であるという明確な意思表示で日本では入学すれば余程のポカをしない限り自動的に卒業できます。一方で欧米の大学では全く反対で卒業までの本人の頑張りや試験のクリアがとても大変です。そのため日本では大学に入学させるまでが親の仕事でその後は仕送りなどお金の工面のみで気持ちは一気に解放されます。最後に国家試験があるとは言え合格率90%超えならばやはり余程アホな事をせずに人並みにしていれば国家資格も転がり込んでくると普通の親なら思うに違いありません。我々もそうである事を信じ願っています。だからこそ今回の次男のお受験が我が家にとって最後になるのです。

次男の希望大学の現時点での模試の合格判定はEです。これから徐々に上昇気流に乗っていかなければなりません。しかしほとんどの受験生の最初の関門は国公立入学の共通試験です。それは毎年1月中旬にあります。そのため学校側は絶対多数に合わせねばなりませんのでその試験日から逆算して授業や試験対策を進めます。しかし次男の場合は全くその試験には関係ありません。推薦入試は9月下旬で一般入試でさえも11月初旬とかなり早いのです。そのため学校任せにすると間に合いませんので、親と予備校などの力を借りて独自に進めなければなりません。そのため周囲の受験生よりも更に早めの対策が必要で、これまで次男と二人三脚で対策を進めてきたのです。それでも悲しいかな、受験対策がうまくいっているようには思えません。当事者なら誰しも同じ経験をお持ちでしょうが、お受験に対してはいくら勉強をして頑張っても合格発表までは生きた心地がしないのです。「そんなことないよ。受験は子供自身の問題で自ら切り開くもの」と反論する方もなかにはいますが、それは私からすれば「親が子供に対して出来得る最大限の努力を放棄」しているだけだと思います。どちらにせよその試練を超えて子供も親も成長するのです。

そんなこんなで9月まで残り半年を切りました。世の中は新型コロナのワクチン接種でてんやわんやですが、私個人は新型コロナなんかどうでもよいくらい別のプレッシャーによってテンパっています。

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束の間の子供たちの帰省

今年の正月は新宿の寮に住む東京の長男は、新型コロナの蔓延と1月の第1週から後期試験がありましたので帰省しませんでした。その後も再試験や総合試験などがあり結局全ての試験結果が発表されて進級が確定したのは3月中旬でした。そして束の間の春休みを満喫して4月1日から新学年の授業が開始です。長女も同様で後期試験は2月下旬に早々に終了しましたが、進級発表が同じく3月中旬でした。首都圏の緊急事態宣言は3月21日には解除されましたのでそれを見越して春休みは久しぶりに二人とも帰省させました。いつまでも自粛はできませんし、3月に入ってからの東京の人の動きは大人数での飲み会などは控えられているようですが、近親者などの小グループでの会食などは行われて人出もほとんどコロナ前と変わらないようです。田舎が思う程都会の人々はコロナ慣れとコロナ疲れのために自粛しているようには思えません。現在は日本中で昨年のように田舎への帰省は不可というような雰囲気はありません。よって今回の春休みは帰省をさせました。次男は親の車での送迎があれば週末に帰省は可能ですが、連荘での佐賀までの往復は親の方がたまったものではありません。県内の他の親御さんはそれでも送迎しているようですが、元来出不精で車の運転が好きではない我々にとっては苦痛でしかありません。そして昨秋からiPADでの学習が寮で公に認められましたのでそれを使用して一緒に勉強をしながら連絡も取れますので正月以来帰省はさせていません。現在は通信網の発達により離れていてもいつでも顔を合わせることが出来てあたかも一緒に暮らしているような疑似体験ができます。それでも家族5人が一堂に会する機会はとても重要ですので子供たちの日程を調整して3月下旬の5日間帰省させました。

最初に長女が帰省しましたので彼岸の週末には3人でふぐ刺しを食べに行きました。本当は5人でと思ったのですが、日程と予算が合わなかったことは寧ろラッキーだったかもしれません。その後遅れて次男と長男が順次帰省しましたのでその翌週は皆でイタリアンや焼肉や寿司などを食べに行きました。いつも別々に住んでいますので家でゆっくりおふくろの味も悪くはないのですが、あまりにも短い限られた時間ですので旨い物を食べながら少しでも会話をしたいというのが本音です。食べる以外は各々スマホを見てピコピコしていますので結局は離れていようが一緒にいようがあまり関係ありません。現時点では次男とiPADでのコミュニケーションが付きつ離れずベストの選択と思います。日常生活ではお互いに干渉せずに離れているもののほぼ毎日相手の顔を見て連絡が取れる繋がりを持ち三食は寮や学食での他人様のまかないつきのため家内もとっても非常に楽なようです。それでも年に数回は帰省してお互いの顔を見る事も必須なのです。

今回の短い子供たちの帰省も一瞬で終わり、一人ずつ徳山駅まで送迎する度に寂しさが増していきます。大トリの次男を送り出すとまたガランとした我が家は夏休みまではしゃいだ声を聞けません。春なのに急に空気が冷たく感じられ冬に逆戻りしたようです。

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新型コロナワクチン集団接種の模擬訓練

今年の春の桜の開花は今までで最も早く開花宣言が下関で出されました。その開花宣言から数日したポカポカ陽気の木曜の午後にキリンビバレッジ体育館で周南市主催による新型コロナワクチン集団接種の模擬訓練が実施されました。キリンビバレッジのある周南市総合公園は桜の名所でもありますが、まだ当日は開花していませんでした。周南市で私の知る限り最も早く開花するのは名前の如く二番町の桜馬場通りです。当日キリンビバレッジに行く途中で桜馬場を通ると車窓から桜並木の数本に一分咲きにも満たない程度開花していました。その時点で首都圏はまだ緊急事態宣言下でしたが、それでも桜の開花は嬉しいものです。一方でこれから始まる新型コロナワクチン予防接種は大変な事業です。その4月下旬からの一般接種の開始に先立ちスムーズに接種が施行されるために事前の練習が本日開催される模擬訓練なのです。桜のほんわかとした春の陽気とこれから始まるピンと張り詰める緊張感がとても対照的に感じられます。本日の模擬訓練の目的は実施する際の問題点の洗い出しです。やってみると意外な疑問や課題が浮かび上がってきますので実際の接種開始までにその問題点を洗い出して解決していかなければなりません。

当日は我々医療関係者も20人近く参加しましたが、実際の被接種者や会場受付や誘導などの人員確保のために50人近くの市役所職員の方の参加もあり報道機関などの参加も含めると総勢100名近くの参加者がありました。まずは冒頭に市長の挨拶があり、その後各部署に分かれて段取りの説明がありました。そして午後2時から実際と同じパターンで訓練の開始です。私は被接種者に対しての新型コロナワクチン予防接種の問診及び診察をして接種の可否を判断しました。実際にワクチンを接種するのは看護師になります。事前に新型コロナワクチン接種の要項やワクチンの内容、そして問診票のチェックなどは確認済みでしたが、それでも実際に訓練が始まると物品の配置から人の流れ、そして問診の内容に至るまで様々な場面で疑問が生じてきます。その疑問点を訓練後のディスカッションで意見として上げて今後の実際の本番に向けて改善していきます。

実際に30分で二人の医師でおよそ30人の問診をとり接種の可否を判断しますが、本日の問診者は高齢者ではなく若い方が多かったために会話や移動などもスムーズで接種も滞りなく行われました。しかし実際に接種が高齢者だったらこんなにスムーズにいくとは限りません。問診のチェックの内容確認や移動なども時間がかかります。本日の模擬訓練と比較すれば2倍近く時間がかかるのではないかと思っています。これも事前にやってみて初めてわかるのであって本日の模擬訓練は実のあるものでした。訓練終了後にディスカッションをしましたが、私同様に他の参加者の皆さんもそれぞれの部署で様々な疑問や意見が出されました。その意見を次回の委員会への持ち越しとして午後3時過ぎに終了となりました。暖かい春の日の午後にこれから始まる大規模作戦の前哨戦をいち早く体験させてもらいました。

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