リオから東京へ

2年前の9月の日曜の朝、IOC会長が「トキョウ」と発表した時フェンシングの太田選手が万歳して滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」は流行語にもなりました。それから2年、リオデジャネイロオリンピックが開催されています。気分は早いのですが、「次回は、東京だ!」と皆さん思われていることでしょう。皆が期待するような大きなイベントの場合、「もういくつ寝るとー」と残り日数をカウントダウンします。そして必ず同時に考えること、それは「その時、一体自分は何をしているだろう?」とか「その時、自分はどうなっているだろう?」と自分の未来のことを考えます。心の片隅には一抹の不安がよぎって「もしかしたら病気でこの世にいないかも?いやいや、そんな滅相もないことを考えてはダメダメ!」と心の中で思いっきり首を振って否定しようとします。それから次に考えることは「子供はもう社会人になっているなあ~」とか続けざまに数珠のように思い浮かんできます。「自分もそれまでには目標を達成したいなあ~」と欲も出ます。

リオでは汚職で大統領退陣のデモが盛んに行われて聖火リレーもストップしたり財政難で競技場の完成も危ぶまれていましたが、いざとなればどうにかなるものです。東京でもロゴマークから国立競技場、そして財政負担など多くの問題が噴出し、都知事も交代してどうにかハードルを越えながら4年後を迎えていくのでしょう。どこの国でもオリンピック誘致の際には新宿歌舞伎町の客引きと同じで良いことしか言いません。しかしいざ店に入ってみると「話が全然違う!」と文句を言いながらもトラブルを恐れて、人生経験を積んだと割り切って高い教育費を払うこともあります。国家も同じで手を挙げて勝てば官軍です。負ければ何を言っても負け惜しみです。だから国をあげての大風呂敷の誘致合戦が行われ汚職、腐敗の温床となるのでしょう。東京オリンピック決定時の都知事はお金のやり取りで辞職して、前都知事は動く知事室の私的流用疑惑でドタバタしてやっと今回の女性知事の誕生です。それでも日本の官僚は優秀ですので仮に政治家がアホなことをしても東京オリンピックを必ずや成功させてくれるものと信じています。普段は官僚ってイメージがあまりよくないのですが、国家プロジェクトなるものを託すとなると彼らが才能を存分に発揮してくれないと成功には程遠くなるでしょう。

リオオリンピックで活躍した日本の若武者、悔し涙を流した若武者それぞれの選手たちが東京でさらに羽ばたいてくれるでしょう。今回のリオ大会をテレビで見ながら感動し悔し涙を流した選手も4年後は英雄かもしれません。また自分たちの子供たちが金メダルを胸にかけられることになるかもしれません。それが昔から知っている近所の子供だったら更に盛り上がること間違いなしです。それまで「まだ4年もある」もしくは「もう4年しかない」と考えるのかで未来は違ってきます。その東京オリンピックまでの4年の間にも一人一人の人生に多くのドラマがあるはずです。皆が東京オリンピックの聖火台の点火を幸せな気持ちで観ることができれば最高です!

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回天記念館を訪れて

先月末の土曜の暑い日の午後に大津島の回天記念館に末っ子と行ってきました。夏休みの社会科の課題研究で地元の歴史的遺産についてレポート提出の宿題が出ています。地元では回天基地や人間魚雷については周知の事実ですが、地元を離れるとこの史実を知らない人が多くなります。今回は佐賀県民、市民の一部の人々に子供の夏休みの課題を通じてその史実を知っていただくには絶好の機会でしたので迷わず大津島へと足を運びました。徳山のフェリー乗り場からおよそ40分の船旅です。そして乗ってみて気づいたこと、それは以前いつこの船に乗って大津島に行ったのだろうか?と記憶の糸をたどりましたがなかなか思い出せません。やっと過去の記憶にたどり着いたのが、なんと15歳の今頃だったのです。かれこれ37年前にまで遡らなければなりません。ちょうど今の末っ子とほぼ同じ年齢です。その時は回天基地ではなく中学時代の恩師や友人と海水浴に出かけたのでした。地元にいると本当に大切なものが言葉では表現できても体感することは縁遠くなってしまって空気のようになって見えなくなるのだなあと再認識させられました。自分にとっても忘れかけていたものを取り戻せた貴重な1日でした。


船が馬島港に接岸した後、歩いて10分で記念館に到着です。坂道を上がると汗が一気に噴き出し記念館の中のクーラーが心地よいというより肌寒く感じられます。それは当時20歳そこそこで日本のために尊い命を捧げた隊員の方々の英霊を前にすると身震いするような引き締まった気持ちになったためのピンと張り詰めた空気のせいであったのかもしれません。記念館の中で隊員の方々の家族への手紙の文字を目で追っていくと胸が詰まりそうになります。今自分がこの世に生きているというよりも祖先のお陰で生かされているといった方が適切かもしれません。私たちの祖先が未来の幸せな日本を夢見て命を捧げる姿を想像すると胸が張り裂けそうにもなります。そのような厳粛な気持ちになった約1時間の見学でした。その後実際に潜水艦に乗船してこの地を出発する基地跡を見学しました。夏でもひんやりとした300mほどのトンネルを抜けて海に突き出たそのコンクリートの建物まで続く道を歩きながら当時同じようにこの道を歩いて永遠の別れを告げた隊員の方々の気持ちを考えてみましたが、到底想像を絶する状況違いありません。そしてその物悲しく寂れた無機質なコンクリートの建物のから青い海が見えます。そこから潜水艦に乗り込み日本の未来のために片道だけの燃料で出発するのです。当時の海の色も今と同じようにきれいな青色だったのかなあとつい想像してしまいます。

そして現在の平和な日本があります。今生きている私たちはさらに未来の子供たちにこの平和な日本を託さなければいけない義務があります。近くにいると私たちはついついその平和の尊さを忘れがちになります。また過去のことを誰かが未来の子孫に伝えなければ忘れ去られてしまいます。広島や長崎の原爆投下や終戦記念日以外にも多くの尊い史実が日本のあちこちに残されていることを私たちは忘れてはいけません。

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深海からの使者現る!

ニュース番組で「リュウグウツノカイ」という名前の深海魚が漁の網にかかったという報道を聞いたことがありませんか?通常の深海魚は100mから500mほどの水深に生息しています。水深100mを超えればもうそこは光も届かない暗闇の世界です。そこに住む生物は目が見えなくても聴覚や触覚という感覚で生きています。通常の光が届いている場所に住んでいる人間にとってはボルトが10秒そこそこで走りきる距離ですが、水深100mとはとてつもなく遠いのです。圧力も地上の10倍の水圧がかかります。到底人間はその暗黒の世界では生きていけません。そのような過酷な世界ですが、逆に言えば人間の魔の手が伸びることのない楽園です。その竜宮からの使者がときに海水面に現れてくるのです。やはり地球温暖化が一番大きな原因でしょうか?発見された時には竜宮からの使者はほとんど死んでしまっていますが、運が良いと生きているのです。

2016年7月18日、私と高校2年の長男は山陰の須佐にダイビングに来ていました。年に数回はダイビングをして技術の維持が目的です。折しも梅雨明け初日の暑い午後のことです。昼食を終えて午後のダイビングでいつもお世話になっているインストラクターさんと「深まてかた海岸」からボンベを担いで歩いて沖に向かいました。海岸から100m沖で水深5mほどのポイントでした。その時イントラさんが今までに聞いたことがないほどの音を水中で鳴らしました。「なんだろう?」とそちらに向かって泳いでいくと「タチウオ」のような約1mの生物がプカプカと浮いては沈んでいます。そうです。それが深海からの使者である「サケガシラ」という生物だったのです。その謎めいた生物は光に照らされると透明に透き通ります。また角度を変えて見ると赤ピンクのきれいな色に変化します。そしてその透き通る肌をキラキラと輝かせながら何百もある小さな背びれの1本1本が波打つごとく流れるように動いて立ち泳ぎをしています。その優雅な泳ぎっぷりを言葉で表現しようにもこれくらいしかできませんが、少しは雰囲気を味わっていただけたでしょうか?


海から上がってイントラさんに聞くと生きている深海魚を須佐の海で見たのは初めてとのことでした。そんなプロが初めて見るのですから私たちは本当にラッキーだったのでしょう。将来、映像で見ることはあっても実物と対面することは死ぬまでないでしょう。それくらい幸運に恵まれた一瞬だったのです。そしてイントラさんが必死に撮影していたビデオ映像が3日後のNHKやTYSの地方のニュース番組に登場しました。事前に教えていただいていたので録画もできました。その深海からの使者の優雅な泳ぎをバックにはなんとも間抜けなダイバーがそれを眺めて写真を撮っていました。勿論それが私と長男だったことは潜った仲間だけしか知らない秘密です。しかし今後一生出会えないであろう深海からの使者に今回出会えて200%満足な休日でした。その深海からの使者の姿を掲載しておきますが、優雅な泳ぎはビデオでないとわかりません。ビデオ鑑賞ご希望の方は「須佐リゾート」とクリックしてみてください。優雅な泳ぎを堪能できます。

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スマホで正しい道、自分の現在地を知る

今はスマホにGPS機能があるために迷子になることもなくなり、探す店がわからなくてもおまわりさんに聞く必要もなくなりました。スマホのグーグルマップで今の自分のいる現在地が一目瞭然にわかるからです。スマホに変更して何が一番便利なったかと言えばまずネット閲覧、そして次にこの現在地の矢印機能がとても重宝しています。では日常生活の中で自分がどこに立っているかを検索する機能に置き換えてみたらどうでしょうか?今自分がしていることが正しいのか間違っているのかを自分では正確に判断できないことってよくありますよね。他人がすることなら大いに意見を物申すことができるのですが、いざ自分となるとなかなか正しい判断が下せません。今まで自分が通ってきた道が正しかったかどうかもなかなか評価ができません。そこで人間は大いに悩みます。その模範解答はありませんし、スマホのGPS機能も正しい位置情報を教えてくれません。

先日テレビで塾の講師の先生が話されていたことがその疑問に対して私の中ですっと腑に落ちました。その先生曰く、正しい道を探すのではなく、今進んでいる道を正しい方向に向けることだと。とかく世の中は制限時間内に結果を求められることが多く、どうしても最短で正しい解答を探さなければなりません。しかし正しい解答を最短で見つけるのではなく、今自分がやっている舵取りの方向性を正しくすることが大切なのです。その目標到達のためには最短距離を全速力で走りきるのも悪くはないのですが、回り道をしてもいいから今やっていることを試行錯誤、模索しながら正しい道に導いてやること、それが良い結果を得ることができ人生を充実させることだと私なりに解釈しました。もう一つ「バカの壁」で有名な養老猛さんの本に「本当の自分を探す」ことよりも「本当の自信を育てる」ことの方が大事だということを最近出版された「自分の壁」を読んで前者の講師の先生が言われたことと共通部分があるように思えました。よく山に登るときに現在地の矢印表示がありますが、「本当の自分」なんてそのGPS の現在地を示す矢印程度のものでその矢印が正しく表示されていても、これから登る山頂にはいろいろなルートがあります。どのルートでもそれがその登る人にとっては最短で簡単なルートとは限らないし、進むべきルートは幾通りもあるわけで、仮に間違っていたとしたら正しいルートに向け直さなければなりません。そのためには今の自分に「本当の自信」を持たなければ登れません。そして「本当の自信」を持つためには日々の地道な努力がかかせません。

自己の確立とか自分探しをするには、GPS機能を駆使して自分の現在地を知ることも大切ですが、もっと大切な事はこれから進むルートはたくさんあっても自分が選んだルートが山頂への正しい道になるように舵取りをしていくことなのです。人生の現在地を表示するGPS機能は誰でもアプリとして生まれたときにインスツールされていますが、それをナビとして正しく使えるかどうかの方が重要です。しかし私たちはスマホ同様になかなかその性能をうまく使いきれてないように思えるのです。

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成亀勝兎

以前ブログで継続は力なり、コツコツと真面目に積み重ねることこそが真の力となり、最後に亀は兎に勝つという内容のことを書きました。それ以来ずっとその言葉が頭の中を駆け巡り続けてこの新しい四字熟語が完成しました。過去にもこれと同じ意味合いの事例は多くあったはずですが、熟語としてはあまり聞いたことがありません。漢文を高校時代に学習しましたが、そのルールに沿って作りました。Blog2016.07まずは成長してほしい気持ちを込めて亀に成ってほしいから成亀として、その亀は兎に勝ってほしいから勝兎を続けました。日本的に音読みなら亀は「キ」で兎「ト」ですので「せいきしょうと」と読んで「兎に勝つ亀に成れ」という意味になります。

私の性格はコツコツ型です。その性格が今の自分を形成しているといっても過言ではありません。子供たち3人を見ると2人はコツコツ型でないと成果が発揮できないタイプですが、彼らが努力型かというとそうでもない。そして今年の2人の入学試験の結果は第一志望合格万歳!というわけでもない。しかし自分が決めた道に一歩を踏み出したのは確かです。悔しい気持ちも当然あると思いますが、それを引っ張り続けるのもよくもない。新たな気持ちで現在置かれた立ち位置をしっかりと理解してこれからの人生をチャレンジしてほしいわけです。そして今与えられている新しい門出に向けてこの四字熟語を送りたいと思います。子供たちは今までの受験生活を通して少しは成長したことに間違いありませんが、まだまだです。小学生なら親に言われてしぶしぶ宿題をやるのは致し方ないかもしれません。しかし中学生になって集団の寮生活が始まればこの四字熟語の意味を少しは理解できるはずですし理解しなければ成長しないと思います。長女は成人になりましたので言わずもがなでしょう。長男だけは2人と異なりは完全に兎型で今までの人生の関門を全てすり抜けてきました。ですから多くの失敗も経験してきました。いざしなければいけないという時の集中力は他の2人とは違いますが、その集中力が持続できずに自滅のパターンを歩んできました。そろそろ彼にも学習して気づいてほしいのですがなかなかこちらの思うようにはなりません。3人いれば皆性格は違うものですが、どちらのタイプにせよまだまだ結果は出ていません。これから将来に向けて結果を出してほしいとの思いからこの四字熟語を子供たち3人に送りたいと思っています。

3人とも大高中で横浜、広島、佐賀で寮生活がこの4月から始まりました。今までもそれぞれが家を出たり入ったりしてきましたが、このように日本の各地で新しい新生活が始まるのは初めてで親としても感慨深いものがあります。ここ数年は家族5人が揃うことなど年に数日でしたがこれからは更に減りそうです。その分、親の方が各地に散らばっていった子供たちに会いに行かねばならず費用もかかります。しかしその新しい土地に次第に愛着が湧いてきます。今までは日本地図でしか存在を認めていなかった土地ですが、これからは自分が直にその土地を踏みしめてその土地の空気を吸うわけですから。

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